現在の世界は、一見すると、過去と比べて便利になっている。

 

例えば、インターネットの発達による影響は大きい。何か分からないことがあれば、ネットを使うと手軽に調べることができる。

 

しかし、こうした便利さは、本当の意味での知識の向上には繋がっていないのかもしれない。例えば、私たちは自分たちの身近な物についても、実はあまりよく分かっていない可能性がある。

 

例えば、人参(ニンジン)について書いてみたい。

 

人参は、どこのスーパーでも見かける、ありふれた食材である。

 

しかし、人参の本当の姿を知る人は、少ないと思う(ちなみに、以下の話は、無農薬で、肥料も有機を中心に少しだけしか使用しない、自然に近い状態で育った人参の話である)。

 

人参の葉には、ある種のハーブのような香りがある。収穫する際に、こうした香りが感じられる。

 

他の植物も同様だが、こうした強い香りによって、虫による食害をなるべく減らそうとしているのだと思う(もっとも、人参の葉を好んで食べる一部の虫たちにとっては、あまり効果はないようだが)。

 

夕飯を作る直前に、人参を収穫する。そして、人参の本体(赤い部分)を、まな板の上で刻む(葉の部分を食べることもできるが、固くなってくると使わない)。

 

すると、人参の本体からも、上記の香りを感じるのである。

 

スーパーで買ってきた人参からは、こうした香りを明確に感じる事はほとんどないと思う(もし感じたとしても、ほんの僅かだろう)。収穫してすぐに調理することで、本来の人参の特徴を知ることができる。

 

ニンジンの香りについては、文字でも動画でも体験することはできない。人参を自分で育てて、自分で調理する人にしか、このことは分からないのである。

 

インターネットが発達している、現代の世の中は便利だが、ネット上では分からないことは多い。スマホやパソコンを時々置いて、自分の体を動かして、様々な物事を実際に体験してみよう。そうすることで、物事を深く知ることができる。いつの時代にも、こうした経験は必要だと思う。

 

(ブログの記事に興味をお持ちの方は、宜しければ、こちらのウエブサイトもご覧ください。記事の執筆者が運営しています。https://www.tclassroom.jp