少し前に、高田賢三展を訪れた。
新宿駅から、西に向かって少し歩く。ファッションで有名な学校である文化服装学院を横目に見ながら進んでいくと、会場に着く。
初台にある、東京オペラシティのアートギャラリーで開催されていた展覧会は、大変興味深いものだった。
高田賢三(敬称略)は、国内のみならず、海外で非常に高い評価を受けた日本人の服飾デザイナーだ。
日本のファッション史において、国内外で高い評価を受けたデザイナーの代表的な例として、高田賢三、三宅一生、川久保玲、山本耀司が挙げられる。戦後のファッション史の中で、高田は早い時期から海外で活躍していた。
筆者は、上記のデザイナーの服の中で、高田の服についてはよく知らなかった。高田の服作りに関して学ぶことができる、大変良い機会と考えて、展覧会を楽しみにしていた。
展覧会では、時系列に服が並べられていく形で展示されていた。
高田の服については詳しくないので、一般的にどのようなイメージで捉えられているのか分からないが、服は時期によって変化していた。もっとも、有名なデザイナーの中で、同じような服ばかり作っている人はいないと思うが、高田の服作りの変化は興味深いものだった。
個人的には、キャリアの初期の頃、イギリスやフランスと関連する写真が興味深かった。服自体についても素晴らしいと思うが、こういうオシャレなイメージが似合う時代があったんだと、印象に残った。
例えば、イギリス。ツイードの服と、背景が凄く合っていて、オシャレだと思った。
そして、フランス。今の時代の観点から見ても、とても素敵なコーディネートだと思う。
文化は、時代の進行に合わせて、必ずしも進歩する訳ではない。ファストファッションに代表されるような、多少はオシャレだが、生地が薄くペラペラで、似たような服が多い今の時代よりも、上記のような服が注目を浴びていた昔の方が、街を歩いていて楽しかったのかもしれない。
現代の日本、特に経済的な活動においては、少しずつ、ゆっくりと衰退しているように思える。そんな時代の中、高田のように、日本人が世界で活躍している様子を知ると、勇気づけられる。
展覧会では、他にも興味深いことがあった。いくつかの記事に分けて書いていく。
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