政府の経済諮問会議が5月23日に開催され、高齢者の定義を5歳引き上げることを提言したという(<高齢者の定義「5歳引き上げ」を ウェルビーイング実現へ提言 諮問会議>時事通信社 2024年5月23日配信)。

 

記事の内容の一部を、以下に引用する。

 

 

<民間議員は健康寿命が長くなっていることを踏まえ、高齢者の定義について「5歳延ばすことを検討すべきだ」と指摘。その上で、全世代のリスキリング(学び直し)推進を提言した>

 

 

これは恐らく、(企業にとって都合が良い)労働力の確保と、将来的に年金支給の開始時期を遅らせることが主な目的だろう。

 

筆者は以前の記事に書いたように、高齢になっても活躍を続けるという選択肢自体は素晴らしく、それが可能な社会であってほしいと思っている。働きたいと考えている人が、年齢を理由に就業の差別を受けることはおかしい。海外の先進国、例えばアメリカやカナダのように、履歴書の欄に年齢の項目を設けない国もあり、日本もそうなるようにしていくべきだと思う。

 

しかし、それは高齢者が自らの意思で選択した場合に限る。もし、政府の年金政策の失敗等をカバーするために、国民を長く働かせようとするのであれば、それは間違っている。

 

また、これは想像でしかないが、高齢者の定義を伸ばして例えば70歳くらいまで働かせる場合でも、多くの企業は定年の基準をあまり変えないのではないかと思う。つまり、60歳くらいで従業員を定年扱いにして、その後は再雇用という形で安く雇えるようにすることを考えているのではないかと個人的に疑っている。

 

このような問題について、単純かつ公平な解決策がある。それは、同一労働同一賃金だ。常勤、非常勤の区別なく、仕事の内容によって同じ報酬を雇う側が支払うようにすれば、問題はなくなる。

 

しかし、日本でこれを実現させることは、なかなか難しいのだろう。雇う側は、従業員を安く使おうと考えることが多い。一般的に労働者の立場が弱く、長く働いている従業員の「忠誠心」を重んじることが多い日本では、特にそうだと思われる。

 

上記のような報道が出るたびに、思うことがある。もういい加減に、ただ我慢するのは止めるべきであり、現状を変えるために選挙に行くことが必要だと思う。

 

「どうせ、投票しても何も変わらない」と思っている人は多いのかもしれない。しかし、それでは悪い政治家たちや、そうした人物を支援する経営者たちの思うつぼである。

 

多くの人々に、選挙に行って、投票してほしい。そして、社会を良くするための変化を促す、有効な政策を実行できる人に政治家として活躍してほしい。

 

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