日本の飲料メーカーで、オレンジジュースの販売休止が相次いでいるらしい。

 

例えば、森永乳業が「サンキスト100%オレンジ」(200ml)、雪印メグミルクが「Dole オレンジ100%」(200ml以外)、アサヒ飲料が「バヤリース オレンジ」(1.5l)を休止、あるいは原料がなくなれば休止の予定という(<オレンジ飲料 相次ぐ販売休止 減産で輸入果汁高騰>日本農業新聞 2024年4月30日配信)。

 

主な要因として、主要な生産国の不作の影響が挙げられている。この点に関しては、オレンジジュースの不足は世界的な現象と言える。

 

しかし、販売休止の要因として、上記の記事によると、価格の上昇も挙げられている。このことについて、当然のことながら、円安等の影響もあるらしい。

 

オレンジの不作は一時的なものだと思うが、これは日本の食卓における変化の始まりと言えるのかもしれない。

 

今後は、日本の経済力の低下や、それに伴う円安の影響により、輸入食品の価格が上昇していく可能性が高い。

 

そうすると、輸入食品よりも、国内の食品の方が、身近なものになっていくと思う。

 

もっとも、個人的に、食品に関してはそれでも構わないと思う。お米や納豆、豆腐等が安価で食べられるのであれば、特に問題はない。これまでに、旅行や留学で海外の様々な国々を訪れたが、食べ物に関しては、日本食がもっとも美味しいと思う。

 

また、日本の農業の発展という点でも、有利になる可能性がある。例えば、輸入食品が高くなるので、国産品の販売が増える。また、円安が続けば輸出もしやすくなる。

 

しかし、注意すべきことがある。農業の生産は、急に高めることが難しい。

 

上記の記事から、一部の内容を引用する。

 

 

<国産かんきつ果汁の需要増の好機だが、国内のかんきつ産地は高齢化などを背景に生産基盤の弱体化が進んでおり、供給力の確保が課題となる>

 

 

日本の農業は、安い輸入食品等の影響もあり、新規の参入者が減り、高齢化が進んでいる。食料自給率は、ずっと低いままだ。

 

農業の生産を増やすためには、時間と手間が必要である。適切な土作りを含めた環境の準備はもちろんのこと、農業に詳しい人材を育成するためには時間と費用がかかる。

 

それに、環境を整えても、すぐには収穫が難しいものもある。例えば、アスパラガスは、通常、1年目の収穫は難しい。2年、3年と経過していくにしたがって、徐々に根が養成されて、収穫量が少しずつ増えていく。

 

これまでに日本は、農業や畜産業を軽視してきたように思う。

 

例えば食料自給率に関して、争乱や病気が次々と発生している現代社会では、とても大切なことだと思う。実際、新型コロナウイルスが流行していた頃、いくつかの国々が食料の輸出を制限したことがニュースになっていた。危機が発生した時に、国民が生きていくために必要な食料を確保することは重要だが、政治は十分にこのことを考えてきたのだろうか。

 

今後は、農業や畜産業をもっと大切にする必要があると思う。既存の生産者の保護だけではなく、新規の参入者を増やして、食料の自給率を高めていく必要がある。政治は、本当に大切なことに、もっと力を入れて取り組んでほしいと思う。

 

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