近年は、物価高である。
そして、円安でもある。多少の変動はありながらも、全体的な傾向としては円の価値が下がっている。
このことは、理解している。しかし、理解はしていながらも、為替を見ると、時折ため息をつきそうになる。
現在の為替レートについて、例えばイギリスポンドは、1ポンドが約189円。大まかに、190円と考えよう。
これは高い。例えば、彼がイギリスの大学院に留学していた時には、1ポンドは150円くらいだった。
もっとも、これでも過去の一時期と比べると値上がりした方で、以前は1ポンドが130円くらいだった時期もあった。当時、もう少し早く留学していれば、1割か2割、留学費用を抑えられたのになあと思った。
それが、今では約190円。150円の頃と比べても、3割近く、円の価値が下がっている。
これだと、海外旅行に行っても、かなりの費用がかかってしまう。
例えば、ロンドンの繁華街であるピカデリー・サーカス駅の近くにある、彼が以前、時折訪れていた日本食のレストラン(高級志向ではなく、庶民的な雰囲気のお店)には、数種類のラーメンがある。値段は様々だが、12ポンドとして計算すると、2280円。
何と、普通のラーメン一杯で、これほどの値段になってしまうのである。
これだと、例えば8ポンドくらいのイングリッシュブレックファストを食べたとしても、それだけで1500円を超えてしまうことになる。
そして、全体として円安の傾向である以上、このような状況は多くの国々で共通すると思う。
海外旅行に、行きにくくなってしまう…。
もっとも、短期間の旅行なら、まだよい。問題なのは、日本人が、留学に行きにくくなってしまうことである。
留学は、様々な点で役に立つ。専門分野の知識を深めることや語学力の向上はもちろんのこと、異文化に触れ、頼れる人が少ない環境で生活を営むことにより、自分の世界を広げることができる。
このブログでも何度も書いてきたが、多くの日本人に、留学を経験してほしいと思う。
しかし、これだけ円安が進むと、留学のための金銭的な負担は、かなり大きなものになるだろう。
今後は、どうなっていくのだろうか。もし、今以上に円安が進行していくとしたら、留学は経済的に裕福な一部の人々の特権のようになってしまうかもしれない。
これは、経済的な格差の広がりにも繋がってしまう可能性がある。過剰な円安の是正は、必要だと思う。
(この記事について、当ブログの管理人が運営しているサイトにて、管理人自身が執筆した記事を見直して修正を加えたものです。https://www.tclassroom.jp)