様々なニュースで報道されているが、政府が発表した、少子化対策の財源に充てるための支援金制度について、非難が巻き起こっている。

 

この制度は、個人や企業が支払っている公的医療保険に、上乗せしてお金を徴収するシステムである。徴収額は、2026年度が約6千億円、2027年度が約8千億円、2028年度が約1兆円と、徐々に引き上げられていく。

 

首相は、2028年度のおおまかな試算として、「加入者一人当たり月平均500円弱と見込まれる」と説明したようだ(読売新聞2024年2月7日)。

 

月平均500円弱だと、年間で6000円弱。細かい金額も含めると、恐らくは6500円くらいになるのではないか。

 

ただし、この金額、「一人当たり」というところがポイントだ。家族全員の負担額を考えると、当然のことながら、負担は増える。例えば4人家族だと、年間の負担額は2万6千円くらいになるのだろう。

 

しかも、徴収額は、月額500円では済まないという指摘もある。

 

以下に、関連する記事の内容を一部引用する(「総理「1人月500円弱」少子化対策に財源1兆円必要…個人差あり?会社員851円試算も」テレ朝news:2024年2月8日配信)。

 

 

<日本総研の西沢和彦理事が出した試算を見てみると、大企業の会社員が加入する「組合健保」では自己負担額が851円の上乗せ。中小企業の会社員が加入する「協会けんぽ」は自己負担額が638円です。そして、個人事業主が加入する「国民健康保険」は自己負担が746円となり、いずれも500円を大きく上回っています>

 

 

大まかに、一人当たり750円だとすれば、年間で9000円ほどの負担となる。4人家族なら、3万6千円の負担になる。

 

これは明らかに、増税だろう。

 

しかし、首相は、以下のように説明したらしい(読売新聞2024年2月7日)。

 

 

<歳出改革と賃上げにより、(国民に)実質的な負担は生じない。『子育て増税』との指摘はあたらない>

 

 

しかし、同じ日の新聞の一面には、実質賃金が2年連続して減っていることが示されている。以下に、記事の内容を一部引用する。

 

 

「厚生労働省が6日発表した2023年の毎月勤労統計調査(速報)で、労働者1人あたりの平均賃金を示す現金給与総額(名目賃金)に物価変動を加味した実質賃金は前年比2.5%減となり、2年連続で減少した」

 

 

このように、家計への負担について、もし多少の賃金の上昇があったとしても、物価高の影響により、実質的には負担が増え続けているのである。

 

そして、2023年度の国民負担率は、46.8%になる見込みらしい。国民の収入から、様々な形で、約47%も税金として取っていることになる。

 

もっとも、負担が大きくても、例えば海外の福祉国家のように、年金などが充実しているのであれば、まだよい。日本の年金制度が充実しているかどうか、ここに書かなくても、皆分かっているだろう。

 

既にこれだけ負担が大きいのに、税の負担をもっと増やそうとする政府。

 

少子化対策自体は賛成だが、他に何か方法がないのだろうか。

 

個人的に、政治の話が特に好きという訳ではない。しかし、これだけ状況が悪化してくると、書かずにはいられない。選挙で現状を変えないと、もう、どうにもならないところまで来ていると思う。

 

(この記事について、当ブログの管理人が運営しているサイトにて、管理人自身が執筆した記事を見直して修正を加えたものです。https://www.tclassroom.jp