彼が以前、オーストラリアのパースで知り合ったカナダ人の友人が、新婚旅行で日本を訪れることになった。そこで、彼が友人夫妻に東京を案内することになった。

 

浅草を出た一行は、電車に乗ってお台場駅に向かった。

 

伝統的な日本だけでなく、未来的で、少々「奇妙な」日本も友人たちに見せてあげたかった。そこで、様々なものが集まっている、お台場を選んだのである。

 

お台場周辺の駅に着いた彼と友人たちは、お台場にあるダイバーシティ東京というデパートに向かった。このデパートの前にある、巨大なガンダムの立像を彼は友人たちに見せたかったのである。

 

ガンダムについては、今も新作がテレビや映画で放送されているようなので、多くの方々は既にご存じだと思う。

 

地球を含めた宇宙を舞台にして描かれた物語で、人間が操縦する巨大なロボットが出てくるのだが、そうしたロボットの一つがガンダムと呼ばれている。単純にロボットが戦う物語ではなく、奥が深いストーリーに人気が集まり、長年にわたって新作が作り続けられているので、 広い世代の人々から支持されている。

 

彼はガンダムの熱烈なファンという訳ではないが、ガンダムは海外でも知名度があるし、何よりもたくさんのお金と時間、技術を用いて巨大なガンダム(アニメのキャラクター)の立像を作り上げるということが、良くも悪くも日本的だと思った。

 

ガンダムと言えば、様々なセリフを思い出す。例えば、初代ガンダムを操る主人公のアムロ・レイが、艦船(ホワイトベース)を出る時に言う、「アムロ、行きます!」という言葉が挙げられる。

 

ちなみに、このアムロは、安室奈美恵さんのことを指している訳ではないということは、念のために書いておく。

 

彼と友人夫妻は、デパートの前に着いた。そこには、巨大なガンダムの像があった。

 

友人夫妻は、驚きの表情でガンダムの像を眺めていた。そして、周囲には、海外から来たと思われる、多くの観光客もいた。

 

アニメのキャラクターの巨大な立像を作るということは、一見すると子供じみているように思えるかもしれない。

 

しかし、大人になっても、「子供の頃の夢の世界」を見たいという気持ちは、やはり変わらないのだと思う。

 

ガンダムの周囲に集まっている、大勢の人々が楽しんでいる様子を見て、いいなと思った。大人になると、世の中の「景色」は少々違ったものに見えるが、いくつになっても変わらないものもある。そういうことを、目の前にある巨大なガンダムの像が、教えてくれたような気がした。

 

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