彼はレストランを出て、大学のキャンパスの近くを歩いていた。これから、思い出の場所を他にも見に行くつもりだった。

 

大学のキャンパス沿いを歩きながら、別の場所に向かった。

 

レストランを出て、キャンパスに戻る時には、この道を通ることになる。彼は、懐かしい風景を、立ち止まって少し眺めた。

 

 

このレストランでは、ディナーを食べることが多かったので、図書館に戻る時には暗くなっていたことが多かったが、明るい時に来たこともあったので、この風景ははっきりと覚えている。とても懐かしい光景だった。

 

坂を少し上って、学生寮の近くを通り、今度は坂を降りていった。学生の頃は、よく通っていた道である。修士論文に取り組んでいた頃、疲れてヘロヘロになった状態で、この道を歩いて食料品などを買いに行ったことを思い出す。

 

やがて、彼は中規模のスーパーに到着した。Morrisonsである。イギリスで生活をした経験がある方なら、知っていることが多いと思う。価格が手頃で、買い物がしやすいスーパーである。

 

 

このスーパーには、様々な食品があった。例えば、留学中に彼が好んで購入していた野菜の一つとして、冷凍のオクラがあった。日本ではまず見かけないような、大きな袋に入っていたオクラを購入して、温めてよく食べていた。

 

ちなみに、オクラは英語でもokraである。歴史的な由来は分からないが、恐らくは海外から日本に来た時に、そのままカタカナでオクラと呼ばれるようになったのだろう。

 

以前の記事にも書いた、ポテトチップスもよく購入していた。様々な種類を試してみたが、味と値段の両方を考慮すると、Walkersの塩味の商品が彼にとってベストの選択肢だった。

 

ハーゲンダッツのアイスクリームも何度か購入したことがあった。こちらは、日本でも食べていたので、どちらかというと懐かしいタイプの食べ物だった。

 

他にも、このスーパーには、日本食がたくさんあった。例えば、醤油について、日本で慣れ親しんでいた某メーカーの商品が、何種類も販売されていた。商品のスペースも比較的広く、こちらのスーパーでは醤油の需要がたくさんあるのだと思う。

 

他にも、何かのパックのようなものに入った、豆腐を見たことがあった。日本では、冷蔵されていない豆腐を見たことがなかったので驚いたが、冷蔵しなくても大丈夫なように処理がされているのだと思う。

 

このスーパーには、一つの思い出がある。留学生としてイギリスに来た翌日に、お腹が空いた彼は、空港からこちらの街まで移動する際に利用したタクシーの運転手の方が教えてくれた、こちらのスーパーを訪れることにした。

 

留学前に、旅行で何度かイギリスを訪れたことがあったが、スーパーに入ったのはこの時が初めてだった。物珍しさから、店内の風景をキョロキョロと眺めていたが、奥の方に食事ができるスペースを見つけて、そこに行ってみることにした。メニューの中には、美味しそうなフィッシュアンドチップスがあった。

 

彼はオーストラリアに以前滞在していた経験があり、フィッシュアンドチップスはよく知っていた。そこで、迷わずそのメニューを注文することにした。このお店に来たのは初めてのことだったので、どうやって注文したらよいのかも分からなかったが、不明な部分は店員の方に聞くことで、注文をすることができた。

 

やがて料理が完成して、食事を始めた。空腹だったこともあり、とても美味しかった。ヴィネガーなどの調味料を加えて食事をしながら、彼は今後の留学生活に思いを馳せていた。期待と不安の両方を胸に抱きながら、一人で黙々と料理を食べていた場面が、今となっては懐かしい。

 

このスーパーは、思い出の場所の一つだった。懐かしさで胸がいっぱいになりながらも、滞在時間は限られているので、彼は別の場所に向かって移動を始めた。

 

(この記事について、当ブログの管理人が運営しているサイトにて、管理人自身が執筆した記事を見直して修正を加えたものです。https://www.tclassroom.jp