彼は大学の図書館を離れて、周囲の懐かしい建物をゆっくりと眺めながら、キャンパスと隣接する公園に向かった。
この時は、前日に降っていた雪がまだ残っていて、幻想的な雰囲気を醸し出していた。三月だったので、芝生の部分以外では緑は少なく感じられるが、本来は緑豊かな公園である。例えば、彼が院生だった頃に撮影した、以下の写真を見てほしい。
この公園は、キャンパスから近いこともあり、学生たちの憩いの場となっていた。広い公園であり、この場所についてのデータを見ると、例えば東京にある新宿御苑の半分くらいの面積になるようだ。新宿御苑は広大な公園なので、その半分であっても、凄く広い公園であるということは想像できると思う。この広い公園で、学生たちは散歩や運動、ピクニックなどをして楽しんでいた。
公園内には様々な設備があり、例えばエルゴメーターやチェストプレス、ロウイングなどのフィットネスの機器もあった。これらは野外にあり、恐らくは電気も使用していなかったと思う。雨風の対策も含めて、屋外の環境での運動に、適応した構造になっているのだろう。誰もが自由に、使えるようになっていた。
屋外で自由に使える運動器具は、この公園に限らず、イギリスの公園で時折見かけた。日本の公園では、ブランコや鉄棒などの遊具または非常にシンプルな運動器具はあるが、もう少し本格的なフィットネスの機器については見たことがない(この写真は、以前に別の公園で撮影している)。
また、イギリスのある公園で、車いすに乗った状態で使うことができる運動器具を見たこともあった。多くの人々が、公園で自由に運動を楽しむことができるように配慮されていた。
日本とイギリスにおける、運動関連の設備の充実度の違いを見ていると、運動を含めた健康促進に関する行政の意識の違いを感じた。日本の公園の設備には、改善すべき余地が今でもたくさんあると思う。
次回からは、この公園に関する思い出について、いくつか記事を書くことにする。お楽しみいただければ、幸いである。
(この記事について、当ブログの管理人が運営しているサイトにて、管理人自身が執筆した記事を見直して修正を加えたものです。https://www.tclassroom.jp)



