言うまでもないことだが、大学の図書館にはたくさんの本がある。彼は母国でも書店巡りが好きなのだが、そんな彼にとってここは宝箱のような場所である。専門書を中心に、たくさんの本を読んでいた。
痛みの分野について、Turk(以下、敬称略)とGatchelの両者による心理的なアプローチの本は興味深かった。コースの勉強にも役立ったが、個人的な勉強のためにもよく読んでいた。それぞれの著者の論文も魅力的だが、本はもっと面白かった。この本は彼の母国語では恐らく翻訳されていないと思うのだが、是非出版されるべきだと思う。
そして、Wall and Melzack’s Textbook of Painは書店に取り寄せてもらって購入して、よく読んでいた。この本は1153ページもあるので、もはや枕としても使えそうな厚みがあり、大変な重さだったが(しかもハードカバーである)、リュックサックに入れてよく持ち歩いていた。知識としても役立ったが、肩や背中の筋力トレーニングとしても役に立ったと思われる。
理学療法関連で言うと、Physical Therapies in Sport and Exerciseという本が興味深かった。スポーツ系の理学療法の本として、大変に優れた本である。著者もDavid Butler(彼は以前、この方の講義を受けたことがある。講義のあちこちに冗談を入れてくる、楽しい人である)、Michel W Coppieters、Paul W Hodges、Jenny McConnell(やはり以前教えを受けたことがあり、膝関節のスポーツ系理学療法の分野で世界のトップクラスの人である)のような著名なセラピストが執筆している。しかし、この本も彼の母国で翻訳して出版されていないのはやはり気になる。
他にも数多くの専門書が本棚に並んでいる様子は圧巻であった。彼の母国の書店では、洋書を扱う店でも見たことがない本がたくさんあって、とにかく楽しかった。
図書館で本探しができることは留学の醍醐味の一つだと思う。もし何らかの機会があり、海外、特に英語圏の大学や大学院に留学することがあれば、図書館の中の本をたくさん読んでほしい。専門にもよると思うが、少なくとも医療の分野では英語で書かれた本がやはり多いので、英語圏の図書館は訪れる価値がある。数多くの貴重な文献に目を通すことで、得られる知識は計り知れないと思う。自分の視野を広げるためにも、そうした機会を得られるように努力することは大切だと思う。
(この記事について、当ブログの管理人が運営しているサイトにて、管理人自身が執筆した記事を見直して修正を加えたものです。https://www.tclassroom.jp)