図書館の中は基本的に静かだ。時々騒がしい学生はいるが、大学院生限定のエリアではとても静かである。勉強のためにはとても良い環境であるが、例えば友人に何か声掛けをしたい時には少し困る。そういう時には院生専門のスペースでも少し話す人はいるのだが、彼は話し声には気を使っているので、友人とコミュニケーションを取りたい時にはどうすればよいのか悩んでいた。
やがて彼は紙にメッセージを書くことを思いついた。これなら誰にも迷惑はかけないだろう。それ以降、友人に対して何かメッセージを伝えたい時、紙に書いたメッセージをそっと渡すことにした。
そのうち、彼はただメッセージを書くだけでは物足りなくなってきた。相手も勉強で疲れているだろうから、どうせなら彼のメッセージを読む際にクスッと笑ってリラックスできるようにしたい。彼はメッセージにイラストを加えるようになった。
これが意外と良い反応が帰ってくることが多かった。彼はイラストに力を入れると同時に、メッセージにも一工夫をするようになった(彼はちゃんと勉強もしていたことを改めて書いておく)。相手を笑わせるメッセージを考えるのは、英語の勉強にもなるので、これはこれで役に立ったと言える。
ある日、図書館で勉強していた女性の友人に日本の某有名アニメのキャラを書いてメッセージを送った。その後、少し恥ずかしくなってきたので、メッセージを回収しようとしたところ、とても可愛らしい仕草で断られた。そのメッセージは回収できなかったが、むしろ嬉しかった。その友人の疲れを少しでも癒すことが出来たのであれば、幸いであった。
(この記事について、当ブログの管理人が運営しているサイトにて、管理人自身が執筆した記事を見直して修正を加えたものです。https://www.tclassroom.jp)