彼が滞在しているイギリスはユーモアの国だ。多くの場合、会話の中に様々なタイプのユーモアが入ってくる。それはその場限りの笑いというだけではなく、良いユーモアを作るためには状況を客観視することが必要なので、つらい現実にも負けず、喜ばしいことにも過剰に喜ばない、そういった落ち着いた心構えを作ることにもつながる。また、様々なことに対する知識も必要だ。つまり、人間形成にも役に立つ。このように考えると、イギリス人だけでなく、誰にとってもユーモアはとても大切なものだと思う。
彼は得意とするユーモア(単なるジョーク?)を持っていた。年齢についてのものだ。彼はなぜか他の人から年齢を聞かれることが多かったのだが、そういう時には「精神年齢は20歳、体力年齢は28歳、時系列の年齢は秘密!」と答えていた。文章にするとあまり面白くないかもしれないが、彼がこのセリフを言うとほぼ確実に笑いが取れた。時々真顔で「そういうのはいいから、ちゃんと答えて」と言われることもあるのだが、基本的には相手は笑ってくれることが多かった。
ユーモアは文化や習慣などの影響を受けるので、外国人から笑いをとるのは難しい。言語の影響も大きく、ダジャレ(オヤジギャグ)などは相当な語学力がないと難しい。ちなみに、イギリスのレディング(Reading)の駅で、彼は本を持って写真を撮って、「Readingでreading(読書)」というネタをこしらえて彼の友人に使ったことがあるが、流石に恥ずかしくて友人ではないイングリッシュネイティブの人に直接言ったことはない。しかし、年齢に関するネタは文化の違いによる影響をそれほど受けないのか、評判はよかった。
イギリスに限らず、海外に行く人はユーモアを研究すると良いと思う。言葉の勉強にもなるし、友人を作るのにも役に立つ。プレゼンテーションの最初に使えば、聴衆の緊張をほぐすことにもなる。このように、あらゆる場面で役に立つのがユーモアだ。海外の書店に行く機会があれば、笑いに関する本を探してみることを勧める。たくさんの人々を言葉一つで笑顔にできる、それがユーモアの素晴らしいところだと思う。
(この記事について、当ブログの管理人が運営しているサイトにて、管理人自身が執筆した記事を見直して修正を加えたものです。https://www.tclassroom.jp)