カーテンから漏れる柔らかな光が、彼の顔を優しく照らしていた。朝が来たようだ。目を覚ますと、見慣れない天井が見えた。不思議な感じがしたが、やがて彼は自身が新しい寮の部屋にいることに気づいた。ゆっくりと起き上がり、部屋の外に出た。

 

入り口の近くに、台所とリビングルームがあった。コンロが複数設置されている。電子レンジもあった。キッチンは広かった。これなら同時に複数人が料理をすることも可能である。冷蔵庫は台所ではなく、なぜかリビングルームの方にあったが、それ以外はよく見られる風景であった。

 

台所の奥の方に、洗濯機と乾燥機があった。これだけ?それらの数は限られていた。その時点では他の階の様子がわからなかったので、はっきりとは言えなかったのだが、もしこの寮全体でこれだけだとしたら、洗濯機が混み合ってしまうのではないかと心配になった(洗濯に関して、ある理由であまり問題はないことが後に判明する)。

 

他にも上の階がいくつかあったが、とりあえず普段使いそうな場所の概要は把握した。後は食材をもっと買ってこよう。彼は寮を出て、食糧を買い集めた。

 

その後、寮に二番目と思われる学生がやってきた。彼の母国とは異なる、アジアの国の出身だった。その学生の荷物が重そうだったので、上の階に運ぶことを手伝った。スーパーマーケットの位置が分からないようだったので、買い物にも付き合った。まるで管理人みたいだなと思いながら、最初の住人として、次に来る人がここの生活に早く慣れてほしいと考えていた。後から来た数人に対しても同様のサポートをしたが、これらのことが後で友人を作るにあたり、思いがけず役に立つことになるのであった。

 

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