日本は、暑い。
7月上旬の時点で、40度近くに達した地域がいくつかあった。8月になったら、どうなってしまうのだろうか。
そして8月といえば、伝統的に、甲子園で高校野球の大会が開催されてきた。今年も、8月に予定されている。
恐らくは、昨年と同様、凄まじい暑さの中で試合が行われるのだろう。
暑くても、鍛え上げた高校球児であれば、暑さに耐えてベストな能力を発揮することができるのだろうか。
そんなはずは、ない。高校球児たちも、人間である。
例えば2023年の甲子園では、34人の選手が熱中症の疑いで医療スタッフから処置を受けた。担架で運ばれた選手もいたという。また、241人の観客が救護室で手当てを受けていた(<夏の甲子園「熱中症」続出 クーリングタイム導入しても…酷暑の高校野球、もはや限界?>東京新聞 2023年8月25日)。
なお、選手の親は、記者に対して次のように語っている(上記の新聞より、一部引用)。
<「熱中症で倒れて後遺症が残ったら、選手はどうなるのか。安心して子どもを任せられない。旧態依然でなく、思い切って方針転換しないといけない時期にきている」>
しかし、甲子園が開催される時期は変わらない。30人以上の選手と240人以上の観客が医療を必要とする状況を経験しても、大会を開催する時期を変えようとしないのである。
もっとも、2024年は、ちょっとした対策が行われる予定らしい。
具体的には、大会期間中の3日間だけ、試合を行う時間を午前中と夕方に分けるという。どうやら、午後のもっとも暑い時間帯を避けようとしているらしい。ただし、1日4試合が行われる日は、暑い時間帯にも試合が行われるという。
しかし、これで充分なのだろうか。午前中や夕方だって、暑いのは皆が知っているはずだ。ましてや、1日4試合が行われる日は、これまで通りだという。根本的な対策とは、とても言えないと思う。
個人的には、小手先の対応よりも、大会の開催時期をずらすことを検討するべきだと思う。しかし、恐らくは、大人の側による様々な都合により、そうならない可能性が高い。
野球に限らないが、変わらないことが多い日本社会。見かけ上は、いつもと同じ光景。ただし、状況は緩やかに悪化していく。
本当に、それでよいのだろうか。
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