アメリカの歴史で黒人の地位は奴隷から始まりその後は差別を受けながら市民権を獲得した。しかしながらその状況はいいとはいえない。選挙に行けば投票を拒否される。黒人が入れないところもある。黒人に権利は与えられたとはいえない。この状況が長期になぜ続くのかトッドは正確に分析している。

アメリカは移民の国だ。この国の人たちはよそから入ってきた人たちにより作られた人工的な国である。初めは白人の移民が大量に入ってきた。白人の中にも対立や差別、移民に対する排斥の歴史がある。この中でアメリカの古い時期に移民した人たちから新しく移民した人たちを排斥してきた。しかしそのようなことが行われた後、新しいグループはアメリカ社会に自然の統合されていったのである。

たとえば古い時期にはアイルランド系の移民は排斥されたが彼らが社会に順応して統合された。その後彼らの子孫もアメリカ人として自覚も生まれ同化していく、このプロセスは第二次世界大戦前まで白人の中で行われてきたと推測できる。その後、アジア人に及んだ。たとえば日系2世などの女性は白人の男性と結婚する傾向性が顕著に現れている。これはある意味では白人社会に日系人が統合されていく過程であろう。他のアジア人も同様である。大半の日系人が日本語が話せない人も増えているためアメリカ人としての自覚がある。他のアジア人に関してもそうだろう。

しかし大量の中国人やメキシコ人の移民が、彼らのコミュニティーを作っているのでこのことに関しての言及はトッドはしていないと思われる。

黒人の場合、白人社会に統合されないのだ。アメリカの白人は肌の色で受け入れるか受け入れないかを決めているようだ。ラテン系の移民に関しても白人社会に統合されにくいのかもしれない。

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