医薬品類の承認審査や安全対策などを担う厚生労働省所管のPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)で、複数の薬について「新たな副作用」が報告された。
【表】ロキソニンなども… 厚労省が新たに報告した「重大な副作用」一覧
そのうち、解熱鎮痛薬ロキソプロフェンの「重大な副作用」には、〈急性汎発性発疹性膿疱症〉という項目が追加された。これは38℃以上の熱が出て、全身の赤い発疹が出る症状だという。PMDAの審査専門員を務めた経験のあるナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師が解説する。
「これは薬疹(薬剤によって生じる発疹)の一種で、アレルギー反応が生じたところが赤くなり、膿んでただれてきます。薬疹にはいくつか種類がありますが、そのなかでも重症度が高い。症状が出たらすぐに薬をやめる必要があります」医薬品には効果とともにリスクがあるため、医師や薬剤師が参照する「医薬品添付文書」には副作用が記載されている。
注意しなければならないのが発売後に新たに確認され、「追加」された副作用についてだ。「新薬は発売前の承認審査で治験の副作用情報が確認されますが、限界もあります。数千~数万人以上が使って初めて分かる副作用や、長期間使用することで生じる副作用もある。よく知っているつもりの薬でも、最新の副作用情報を把握する必要があります」(同前)
最新のPMDA報告から過去2年に追加されたものを表にまとめた。コロナ禍で受診機会が減った人も多いなか、服用している薬が該当しないか、確認したい。
「自傷行為」まで
最近の添付文書の改訂で目立つのが、「抗がん薬」の新たな副作用だ。本庶佑氏がノーベル生理学・医学賞を受賞した免疫チェックポイント阻害薬のオプジーボにも、ぶどう膜炎(眼球のぶどう膜に起こる炎症。失明の危険がある)が追加された。
多くの人に馴染みのある造影剤(イオパミロンなど)にも注意が必要だ。「造影剤はMRIやCTなどの検査でも使われるもので、高齢の方の使用機会も多くあります。副作用としてアレルギーを起こしやすいのですが、今回追加された急性冠症候群はその影響が心臓に及び、血管が詰まる病態です。過去にアレルギー反応を起こしたことがある人は必ず検査前の申告が必要です」(同前)
驚くのは睡眠薬として広く使われるマイスリー錠に追加された〈死亡を含む重篤な自傷・他傷行為、事故等〉だ。
「睡眠薬で転倒やふらつきの副作用があるのは知られていますが、今回追加されたのは、人が変わってしまうような精神系副作用です。
しかし、睡眠薬は脳や神経に作用する薬なので、医療関係者からすれば驚きはない。興奮しやすくなり、暴れたりするなどは精神系に作用する薬の多くで知られています。だからこそ乱用しないよう細心の注意が必要なのです」(同前) 違和感を見逃さず、医師とのコミュニケーションを密にすることが肝要だ。
※週刊ポスト