子どもを育てていると、「主体性のある子にしたい」と思うことも多いですよね。ただ、主体性を育てるにはどうすることが望ましいのか、大人になった時にどういう影響があるのかなど、気になることがたくさんあります。ここでは、子どもの主体性を育てる教育についてお伝えします。
主体性を育てるとはどういうことか?
子どもにとっての主体性というのは、大人の感覚と相違があることが非常に多いと言われています。大人にとっての主体性と本来子どもに必要な主体性の違いを理解していくことは、主体性を育てるための教育をする上でとても大切な部分です。
色々なことにチャレンジしたいという意欲
主体性があるということは、周囲の意見や傾向に流されないことです。他の人がこういうことを言うから自分もそっちにしよう・・・と思うことは、主体性がないということになります。大事なことは自分が「こうしたい!」と思うことに対して、素直になれるかどうかです。
子どもとして必要な主体性は、周囲の意見や評価に関係なく、自分がどうしたいのかを考えられる心です。主体性がない子どもはどうしても、「これでいいのかな?」と不安が先立ってしまい、結局は周囲と同じことしかできなくなります。
周囲とのコミュニケーションがとれる
主体性のあるなしは、集団の中ではっきりします。周囲の人とのコミュニケーション能力は、主体性があるかどうかについて重要なポイントになるのです。主体性がある子どもは積極的に友達と自分から関わっていき、ケンカをしたりみんなで何かを成し遂げたりして、自分に自信を持つことができます。
こういう子どもは人との関わり合いを通じて、自分がこういう言葉を言ったら相手はどう思うのか?こういう行動をとったらどうなるのか?など想像力や思考力が高くなるので、どんどん自分の考えを持つようになるのです。
自分のやりたいことを口にできるか
主体性とは自分のやりたいことや考えていることをしっかり口にできるかどうかも重要なポイントです。主体性がないとどうしても周囲や親の反応だけが気になってしまい、自分が何をしたいのか分からなかったり、本当はこういうことがしたいという話もできなくなります。
「こう言ったら怒られるのでは?」「否定されるのでは?」そんなことばかりを考えて、自分で物事を決めることができません。主体性のある子どもは、どんなことでも「今こういうことをしたい!」とはっきり周囲に伝えることができます。それは自分に対して自信があるというよりも、周囲が自分を信頼してくれていると思っているからです。
主体性を育てるにはどんなことが必要?
主体性を育てたいと思ったにしても、具体的にどのようにすれば良いのかわからないという人も多いことでしょう。子どもの性格によって、親の思う通りの主体性を持てるとは限りませんが、以下に効果的な教育方法についてご紹介します。
子どもが失敗しても怒らないこと
物事は全てにおいて一度で成功するわけではありません。最初の頃は失敗しますし、失敗から多くのことを学びます。子どもの主体性を育てることができないケースのほとんどが、子どもの失敗を受け入れられないことが原因です。
失敗するたびに叱られると、次第にと怒られることが怖くて子どもはチャレンジをしなくなります。最初から何もしない子どもに育ち、失敗に対応できない子どもになってしまうのです。
主体性を育てるためには子どもが失敗したことを怒らずに、どうすることで成功するかを一緒に見つけていく手助けをすることが、親の役目だと思うようにしましょう。
小さなことでも選択肢を与える
主体性を育てるためには、子どもが自分で「これがいい」「あれがしたい」と自己主張ができるようになることが大切です。そのためには、自分で選択する力を持っている必要があります。つまり、親は子どもが自分自身の気持ちを持てるように、常に選択をさせてあげることについて重視してください。
例えば、今日の食事内容や今日の服装など些細なことからで良いので、きちんと子どもがどう思っているのかを選択をさせましょう。また良くないことを選択しない限り否定せず、受け入れることも自信をつけさせる上で大事です。
子どもを「愛している」ことを伝え続ける
子どもが自己肯定感や自尊心を持っていることも、自主性を育てるためには必要なことです。どうすればそれらが育つのかと言えば、親からの愛情を目一杯受けることです。親から「愛しているよ」と言葉にされなくても、それを子どもが感じられるかどうかというのはとても重要なことになります。
母親や父親からたくさん抱きしめられ、話を聞いてもらった子どもは「どんな時でも自分が受け入れられているのだ」という自信を持ち、何事にもチャレンジしようという気持ちが湧き起こります。主体性を育てるには周囲を気にしてしまう性格だとなかなか難しいので、自己肯定感はとても重要なポイントです。
主体性を育てるのは大人になると難しい?
主体性を育てるのは子どもの頃が大切だと分かっていても、なかなか思うようにできない場合もあります。それでは子どもが大人になってから主体性を育てることはできるのでしょうか?以下に、就職した後の主体性の育て方について考えてみます。
人によってはやはり難しい場合も
例えば、上司が仕事上で相手に指示をそこまで出さずに自分で考え行動できるように意識したとしても、主体性が育っていない人によっては「上司なのに、どうして全然指示しないのだろう」と不満を感じる場合もあります。
主体性のない大人は仕事においてマニュアルがないと動けないので、上司の指示がなくては動けません。指示出しをしない上司を職務怠慢と感じる人もいるため、自主性を育てようと思っている上司としては、裏目に出てしまうことがあります。
評価の1つということを伝える
社会人になると、給与査定のための評価面談をする場合が多いです。その際に主体性も評価の1つであることを本人に伝えてみると、自分自身で主体性について考えるようになるケースもあります。
普段から意識していなかったとしても、自分の給与評価に関わるということがわかれば、自ずと知らなくてはいけないような気になるのです。目標設定の際も自主性の項目が上がれば、きちんと考えるため、徐々に自主性を育てることができるでしょう。
小さなプロジェクトのリーダーにする
自主性を育てるためには、自分に自信を持つことと周囲との関わりを増やしていくことが大切になります。そこで、企業としてできるのはプロジェクトリーダーを思い切って任せてみることです。大きなプロジェクトだとやりがいよりもプレッシャーの方が強くなることもあるので、小さなプロジェクトを選んでみてください。
そうすることで子どもの頃に得られなかった達成感や自分の必要性を感じて、頑張ろう・自分で行動してみようという気持ちになってくれることもあります。リーダーはみんなの意見をまとめたり、報告するといった仕事なので、必然的に自主性が高まるものです。
おわりに
主体性のある子どもに育てたいと感じるのは、親としては当然の思いです。しかし自発的に行動できる、周囲との調和ができるような子に育ってほしい気持ちが強く、無理強いすることは避けた方が賢明です。親は子どもの性格や気持ちに寄り添いながら、どう教育していくのかを考えていくのがよいでしょう。
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