先週、ストレスで頻尿になるケースについて書いたが、今回は「残尿感」。出しても出してもまだ出そう-。これがパチンコだったら大喜びだが、おしっこじゃねぇ…。
Hさん(49)は小さな編集プロダクションの社長さん。ご多分に漏れず経営は苦しい。一時期は十数人の大所帯だった会社も、リストラをするまでもなくスタッフのほうから1人、また1人と去っていき、今ではHさんと奥さんの2人だけ。
しかも奥さんは、昼間は近所のお弁当屋さんにパートに出かけるという窮状ぶり。社長のストレスはハンパじゃない。
そんなHさん、最近“残尿感”に悩んでいる。一度出始めると果てしなく続くおしっこ。終わったと思ってもまた始まる。今度こそ終わったと思ってもまた出てくる。
まるでベートーベンの交響曲のように、終わりそうで終わらないおしっこ。ようやく終わって立派なモノをパンツにしまい、ズボンのファスナーを上げたところで、ジョロッと出ることもある。
そんな時彼は、「会社にいるのが自分ひとりだけでよかった…」と妙なところでホッとするという。涙を誘う話だ。
そんなHさんの症状を、夕刊フジ月曜日好評連載中「Dr.石坂の男性相談室」でお馴染み、帝京大学溝口病院泌尿器科教授の石坂和博医師が解説する。
「事務所を1人で切り盛りしているということは、机に向かって座っている時間が長いのでしょう。座っている時間が長いと、それだけで前立腺が腫れやすくなり、尿道が圧迫されて尿が出にくくなることがあります」
これを防ぐには、30分に一度は立ち上がり、自分の机の周りを歩くだけでも違うというが、石坂医師はさらに効果的な裏ワザを指南する。
「定期的に射精することです。精液の半分は前立腺液ですが、これが排出されずに前立腺に溜まっていると、そこに菌が繁殖して炎症を悪化させることになる。それを防ぐためにも、頻繁に射精することは効果的です」
さすがにこれは「30分に1回」とは言わないが、まずは奥さんを弁当屋から呼び戻して、相談してみてはどうだろう。幸か不幸か事務所には他に誰もいないことだし…。