「看護師」「准看護師」の違い
ここでは「看護師」と「准看護師」の違いについて紹介します。
法律上の違い
看護師と准看護師については、保健師助産師看護師法第5条・第6条で明確な違いがあります。それぞれの違いを表したものが表1です。
表1
※e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」を基に筆者作成
法律上准看護師は、自身の判断で看護師業務を行うことはできません。また、准看護師は都道府県ごとに試験が行われていますが、看護師は国家資格の試験を受けることになります。
合格率や難易度の違い
看護師と准看護師の試験の合格率と受験者数を比較してみましょう。厚生労働省が発表している、令和5年度分の試験結果の数値が表2になります。
表2
※厚生労働省のサイトを基に筆者作成
合格率に関しては、どちらも高い傾向があるようです。ただし看護師になるためには、通常高校卒業後に大学や看護師専門の養成所に3年以上通わなければなりません。一方准看護師は、中学卒業後に准看護師の養成所などに2年以上通うと受験資格が与えられます。
給与面での違い
給与面でも、看護師と准看護師では違いがあります。厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、企業規模10人以上での場合の看護師と准看護師の給与と賞与、それを基に計算した年収は以下の表3の通りです。
表3
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
給与・賞与ともに看護師のほうが高く、年収では100万円ほどの差があるようです。
准看護師よりも看護師の方が年収は100万円ほど高い
看護師と准看護師は、資格自体まったく異なります。看護師は国家資格ですが、准看護師は国家資格ではなく、業務を行う際も、医師や看護師の指示がなければできません。これらのことから、看護師の平均年収がおよそ508万円であるのに対し、准看護師はおよそ407万円と、100万円ほどの差があります。
養成校が2年間と短期間であることは魅力ですが、より幅広い業務に携わりたいと考えている場合などは、看護師資格のほうがメリットは大きいと考えられるでしょう。