ダイエットや健康のために体幹を鍛えるとよい、と聞いたことはありませんか。
体幹を強化しようと思う人は、胴体まわりばかりを鍛えがちですが、それだけでは十分とは言えません。胴体部分ばかりでなく、足腰や足指、足裏の強さも大切なのです。
プロトレーナーの木場克己さんの著書『プロトレーナーが本気で教える 完全体幹教本』(日本文芸社)より体幹の鍛え方を紹介します。
木場式新体幹メソッド目指すべき姿はかかし!
体幹の強い体を作るためには下半身の筋力強化は欠かせません。特に体重を支える足首と足指をしっかり鍛えよう!
1日3分、週3日でOK!ぽっこりお腹がペッタンコになる「最強の呼吸法」とは?© ダイヤモンド・オンライン
○上半身と下半身の連動でブレない軸を作る
体幹とは胸と背中、お腹、腰まわりをさしますが、その体幹を支えるために欠かせないのが下半身の筋力です。下半身は体の土台のようなもの。なかでも体重を支える足首の可動域が狭いと、うまくバランスをとれません。
さらに重要なのが足指の動き。1本1本の足の指でしっかり大地を踏みしめられてはじめて、上半身を支えることができます。
例えば、田畑に立つ「かかし」の脚がまっすぐ地面にさされているように、下半身が強く床をとらえることができれば上半身はぐらつきません。上半身と下半身をうまく連動させることができれば、ブレない軸ができ上がります。
体幹トレーニング成功のカギは腹式呼吸にあり
○お腹を動かす深呼吸で体の奥から鍛えよう!
体幹トレーニングでは「ドローイン」と呼ばれる呼吸法がとても大事な役割を果たします。やり方はとてもシンプル。お腹をふくらませ深く息を吸い込み、お腹を凹ませるようにしてすべての空気を吐ききる、これだけです。
この呼吸が横隔膜や骨盤底筋群など、腹圧に関わるインナーマッスルに刺激を与えるため、体幹部を効果的に強化できます。
アウターマッスルとの連動性も高まるため、動かせる筋肉が増えて、基礎代謝が高まります。その結果、脂肪が燃焼しやすくなり、体幹が鍛えられると同時に、見た目も変化していくのです。
1日3分、週3日でOK!ぽっこりお腹がペッタンコになる「最強の呼吸法」とは?© ダイヤモンド・オンライン
腹圧が高まると、ぽっこりお腹が解消され、腸をはじめとした内臓の動きが活性化されます。自律神経のバランスが整い、睡眠の質も向上。疲れにくい体ができ上がります。
また、腹式呼吸にはイライラしたり緊張したりしたときに気持ちを落ち着かせる効果もあります。マイナス感情に陥っているとき、私たちは浅い呼吸になりがちです。
そんなとき、ドローインを意識した深い呼吸で、新鮮な空気を取り込めば、気持ちが落ち着いてきます。血流も改善され、免疫効果が高まり、感染予防にも力を発揮してくれます。
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体幹を鍛える最強の呼吸法ドローイン
○やればやるほど効果UP筋肉がぐんと強くなる
スポーツのトレーニングをはじめ、運動療法の一環としても取り入れられているのが、呼吸をしながらお腹を凹ませるエクササイズ「ドローイン」です。
腹式呼吸の要領でお腹をふくらませたり凹ませたりしながら呼吸することで、腹横筋、横隔膜、骨盤底筋群など腹圧を高めるための筋肉を一度に活性化させます。ドローインをしながら体幹トレーニングを行えば、効果は何倍にもアップします。
ドローインのメリットは、いつでもどこでもできること。
信号待ちの間に行ってもOK。歩きながらでもドローインをすれば、その時間がトレーニングタイムに早変わり。ドローインはやればやるほど、効果的にお腹を鍛えられます。
慣れないうちは仰向けで手を添えてやると、お腹が動く感覚がつかみやすくなります。体幹トレーニングのはじめの一歩としてドローインをマスターしましょう。
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ドローインを徹底マスターしよう
1日3分、週3日でOK!ぽっこりお腹がペッタンコになる「最強の呼吸法」とは?© ダイヤモンド・オンライン
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体のスイッチオン!ストレッチの重要性
○ストレッチでケガ予防&疲労軽減
ストレッチをやることでトレーニングの効果が大きく変わります。まず、ストレッチが筋肉の緊張をゆるめ、血流をよくします。
その結果、酸素や栄養素が全身に行き渡りやすくなり、疲労物質である乳酸が体にたまることを防ぎます。つまり、疲れにくくなるのです。関節への負担も減りケガ防止にもつながります。
一方、ストレッチをせず筋肉がかたいままトレーニングをすれば、可動域が広がらず、動かす筋肉に無理な力をかけることになります。ちょっと負荷をかけただけで痛めてしまうことになりかねません。ストレッチはトレーニングとセットで行いたい大切なプロセスなのです。回数をこなすことより正しいフォームが大切
○誤ったフォームは体を痛める危険が大!
トレーニングは回数が多いほど効果があると思っていませんか?回数にこだわると、フォームが疎かになります。腹筋の場合、反動をつけるため腰を反らせる人が多くみられますが、効果があまりないうえに、腰痛を引き起こすリスクがあります。
体幹トレーニングは回数やスピードを競うものではありません。ターゲットとなる筋肉を意識し、ゆっくりした呼吸とともにじっくり負荷をかけることが大切なのです。
その際、体が不自然に曲がっていないか、腰は反っていないか、肩や骨盤の左右バランスは整っているかなど、自分のフォームと「正しいフォーム」を見比べながら行ってください。
1日3分を週3日からスタート
○明確な目標を立てモチベーション維持!
トレーニングで成果を出すためには目標が必要です。とはいえ、あまりに高い目標を掲げてしまうと、張り切りすぎて、途中で疲れてしまったり、投げ出してしまったりすることにつながりかねません。
まずは「お腹を2センチ凹ます」「猫背を治す」など、短期で達成できそうなものがおすすめです。それが達成できた段階で、もう少し高い目標を設定する。そうして続けていけば、気づいたときには大きく体が変化しています。
トレーニング時間をある程度固定することもコツ。スマホやパソコンのリマインド機能を利用したり、手帳に印をつけたり工夫しましょう。
最初の1週間は1日ずつ違うトレーニングを2種目選んで毎日行います。毎日違うトレーニングなら飽きることを防げますし、ターゲットとなる筋肉が変わってきますので、幅広い効果が得られます。2週目以降は1週間のうち3日でOKですが、体力に合わせて増やしてもいいでしょう。
1日3分、週3日でOK!ぽっこりお腹がペッタンコになる「最強の呼吸法」とは?© ダイヤモンド・オンライン
自宅でできる自重トレーニング
○場所も器具も不要!思い立ったらすぐ開始
トレーニングに興味はあるものの、なかなかはじめられない人もいるかもしれません。
でも、ドローインやストレッチを含め、今回、紹介している体幹トレーニングは自重(自分の体重)をかけるだけで、特別な器具は使いません。自宅で行えるため、ジムに通う必要もなく、今この瞬間からはじめられます。
自重を使うトレーニングは、筋肉や関節に必要以上の負担がかからないので、安全性が高いということも大きなメリットです。体力に自信のないというシニアの方も無理なく取り組めます。短い時間でこなせるものばかりですが、続ければ確実に体は変化します。
腹圧や体幹バランスの強化、柔軟性の低下によって起こる不調や姿勢の改善など、慣れてきたら、自分用にカスタマイズすることもできます。自重トレーニングの効果をより高めるためには、体のどこに効いているのかを常に確認しながら進めましょう。
飽きずに続ける「習慣化」のコツ
○日常の習慣とセットで運動をルーティン化
トレーニングを毎日続けるためのコツを紹介します。日常の中に習慣として運動を定着させるためには、毎日必ず行うこと(習慣)と体幹トレーニングをセットにすることです。
例えば、「お風呂上がりや寝る前には必ずストレッチをする」「顔を洗ったら、そのまま鏡の前でドローインする」「いつも見ているテレビドラマのCMの間をトレーニングの時間にする」などです。
毎日のルーティンとして歯を磨かないと気持ちが悪いと感じるように、トレーニングをしないと落ち着かないと思えたら成功です。
トレーニングで一番難しいのが、継続し習慣化すること。うっかり忘れた、なんとなく気が乗らないなどの理由で1日休んだら、そのまま挫折してしまった、というのはよくある話です。
トレーニング習慣を定着させるためには、すでにある日常の習慣とセットにしてルーティン化すれば、意識しなくても体が動くようになります。
続ける秘訣1~小さな成功体験~
まずは短期間で達成できそうな目標からスタート。成功体験が次へのモチベーションにつながり最終ゴールに近づく。
1日3分、週3日でOK!ぽっこりお腹がペッタンコになる「最強の呼吸法」とは?© ダイヤモンド・オンライン
続ける秘訣2~習慣化の力を利用~
日常生活で何気なく行っている習慣をトレーニングのスイッチにすれば、挫折を防ぐことができる。長く続けるには、実行しやすい習慣とセットにするのがおすすめ。
1日3分、週3日でOK!ぽっこりお腹がペッタンコになる「最強の呼吸法」とは?© ダイヤモンド・オンライン
●習慣化のポイント
・日常生活の中で行っている習慣と結びつける
・「いつ」「どこで」「何を」するかを明確にする
・朝できなかったら夜行うなど、もしものときの対策を決めておく
体幹トレーニングは体のベース作り
○筋肉を鍛える前に体幹をしっかり整える
木場克己著 『プロトレーナーが本気で教える 完全体幹教本』 (日本文芸社)© ダイヤモンド・オンライン
体幹トレーニングでは、腹横筋など内臓の周りにあるインナーマッスルを鍛えます。一
方、筋肉トレーニングで鍛えるのは、腹直筋などのアウターマッスルです。筋トレで腹筋を鍛えても、インナーマッスルが弱いままでは筋力のバランスを崩し、ケガを引き起こしかねません。
プロサッカー選手の長友佑都(ながともゆうと)選手は大学時代から腰痛を患い、何度も大きなケガに襲われましたが、体幹トレーニングでインナーマッスルを鍛え、筋力バランスを改善。
筋肉のコルセットで体幹部を覆うようにして腰痛を改善しました。筋トレで効果を上げるためには、まず体幹部分を強化することが大切なのです。