ゾウさんが、健康診断の結果を手に、心配そうな顔をしています。「何かあったの?」。ヨミドックが尋ねてみると……。
Q 健康診断で血糖値が高かった。心配だ。
ヨミドック 血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度です。食事や間食をすると、膵臓(すいぞう)からインスリンというホルモンが大量に分泌されます。ブドウ糖は肝臓や筋肉などに取り込まれ、血糖値が下がります。
Q 空腹時血糖値が115ミリ・グラム/デシ・リットルだったんだ。
ヨ 正常値は110未満で、糖尿病と診断される基準値は、126以上。110~125は、正常ではなく、予備軍なので注意しましょう。
Q まだ糖尿病じゃないってことだよね。よかった。
ヨ そうですよと言いたいところですが、糖尿病を発症している可能性もあるんです。「隠れ糖尿病」です。
Q どういうこと?
ヨ 食事をするとインスリンが大量に分泌され、2時間ほどで血糖値は下がります。インスリンの量が少なかったり働きが悪かったりすると、数値が下がるのに時間がかかってしまいます。
隠れ糖尿病が疑われる場合は、ブドウ糖が入った液体を飲んでもらい、2時間後までの血糖値を調べる「ブドウ糖負荷試験」をします。200以上だと、空腹時の血糖値が正常でも糖尿病と診断されることがあるのです。
Q なるほどね。
ヨ ヘモグロビンA1c(HbA1c)にも注意です。過去1~2か月の血糖状態を示す数値で、診断基準値は6.5%以上です。
Q わかりました。で、今からどうしよう?
ヨ 生活習慣を改善しましょう。食事は、極端に制限する必要はありませんが、なるべく決まった時間に。不規則な食事は血糖値が乱高下するもとになります。品目を増やし、清涼飲料水やスナック菓子は避けてください。
速歩やスクワットなどもお勧めです。速歩は1日30~40分、スクワットは1セット10回、1日3セットという具合に、無理なく続けることが大切です。
Q ダイエットにもなるならいいね。
ヨ 毎日、体重を量ることは重要です。急に増えたり減ったりしていたら体の異常のサインかもしれません。気になることがあれば、糖尿病の専門医に相談しましょう。
(利根川昌紀/取材協力=鈴木亮・東京医大病院糖尿病・代謝・内分泌内科教授、菅原正弘・菅原医院院長)