【最新「死に方」事典】「わからない」医者が安心!? | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

最近、“病院に行くと殺される”というような内容の本も出ていて、老後の不安は尽きない。そこで、前回に続いて、どうやって主治医をつくるか。そのポイントをお伝えしたい。

厚労省は今年度から「主治医」制度を推進する方針を明確に打ち出しているので、主治医は、安心して死後へ旅立つためには欠かせない。

 私が最も重視しているのは、「わからない」とはっきり言ってくれる医者がいちばん安心できるということだ。

医者は万能ではなく、それぞれ専門分野が違う。にもかかわらず、町医者のなかには、患者を診療報酬の点数としか見ていない医者が多く、こうした医者はどんな症状を訴えても「とりあえずこれで様子を見ましょう」と、薬を出すだけだ。それも、薬の点数が多い。

 たとえば、ある内科医は腹痛を訴えてきた60代の女性患者に何種類かの調整剤や栄養剤を出すことだけを繰り返した。もちろん、エックス線検査、血液検査は毎回した。しかし、「異常がない」と言われるので、その女性患者は我慢し続けた。

 女性の場合、我慢強いのがあだになることが多い。この方もその典型だったが、いっこうに改善しないので、自分でツテを頼って婦人科に行き、精密検査を受けた。結果は、卵巣嚢腫。かなり肥大化していていたので、緊急手術となり、一命をとりとめた。

 町医者でも大病院でも、収入は医師が行う医療行為からしか得られない。事務員の給料も病院の賃貸料、光熱費、設備投資の費用も、全部そこから出ている。したがって、ある月に、来院患者数、薬の数、検査の数などが少なくなると、たちまち減収になる。

 つまり、患者さんが治らずにリピーターになってくれたほうが病院経営は安定するのだ。現代において「必要な医療以外はしない」は神話である。病名を突き止めて完治させることは、医者自身の首を絞めるのである。

 とすると、「わからない」と言って、専門医を紹介してくれる医者が、最もいい医者だということが、おわかりいただけると思う。

 世の中には素直に「わからない」と言える医者は多くない。とくに、最高学府の医学部を出ていたりすると、この言葉はなかなか言えない。だから、私は医者を選ぶときは、学歴よりも、経験数を重視すべきだと言っている。

自分の専門分野の臨床経験が豊富な医者が、いちばんである。医者は患者によって鍛えられるので、どれほど多くの患者と接してきたかによって、その価値を判断すべきだ。

 経験値が豊富な医者は、患者さんの目を見て話す。パソコンに向かいきりで、検査データばかりを見ている医者はやめたほうがいい。また、3種類を超える薬を出す医者も勧められない。

 自分の範囲を超えていたら、素直に「わからない」と言って、その場で専門医や大病院のしかるべき診療科に連絡を取ってくれる医者もいる。そういう医者こそ、あなたの主治医にすべきだ。

 ■富家孝(ふけたかし) 医師・ジャーナリスト。1947年大阪生まれ。1972年慈恵医大卒。著書「医者しか知らない危険な話」(文芸春秋)ほか60冊以上。