「彼氏が性病になってしまった!」。さて、こんなときはどうすればいいのでしょうか? 自分自身の身に覚えがない場合、やはり彼氏は浮気して性病になってしまったのでしょうか?
東京・新橋にある性病科クリニック『あおぞらクリニック』の内田千秋院長に、彼氏が性病になった場合の対処法や疑問を聞いてみました。
■彼女側が保菌していたものに感染してしまうケースもある!
――「もし彼氏が性病になってしまったらどうすればいい?」ということなのですが、そもそも性病って自然に感染するものなのでしょうか?
内田院長 自然に感染することはないですね。
――ということは、彼氏が性病になった場合は、やはり「彼氏が浮気した」ということになってしまうのですね。
内田院長 その可能性ももちろんありますが、一概に「彼氏の浮気が原因」といえないのです。「女性自身が病気を持っていた」というケースも考えられます。
女性は特に症状に乏しいことが多いので、昔の彼氏との性行為で感染し、自覚症状のないままクラミジアなどの性病を持っていた、ということも考えられます。
――なるほど、彼氏が他の誰かから病気をもらったのではなく、彼女側がずっと前から保菌しているものに感染する場合もあるのですか。
内田院長 性器だけでなく、喉に保菌している場合などもあるので、自分自身もずっと前から感染していないか考えた方がいいですね。ただ、いずれの場合も、二人同時に検査してしっかり治療をすることが何より大事です。
片方だけ治っても、片方が感染したままだと意味がないですから。
――けんかする前にまずは二人でクリニックへ行け、ということですね(笑)。
内田院長 そうですね。ちなみにけんかの話ですが、どちらが先かというのはクリニックでは分からないです。それぞれどちらかが「感染の心当たり」があるのなら別ですが(笑)。
お互いに心当たりがない場合は、女性側が保菌していたものに男性が感染して症状が出た、という可能性があるので、必ずしも「相手が浮気した!」と思わない方がいいでしょう。
彼氏に病気をうつしておいて、自分は別の病気でもらった抗生物質で治してしまう、というケースもあったりしますよ。
――ずっと性病の病原体を保菌したまま、というのは割とあることなのですか?
内田院長 そうですね。ずっと長い間感染したままというのはあり得ることです。ただ、いつから感染していたか、というのはちょっと分からないものです。
――男性も、こうした自覚症状がないまま性病の病原体を持っていることってあるのでしょうか?
内田院長 性器に感染している場合は、男性はほとんど自覚症状が出るのですが、喉に保菌している場合は女性と同じく気付くことがありません。
――女性の場合もそうですが、男性も、自覚症状のないまま結婚して、結婚後にトラブルにならないよう、一度検査を受けておくといいかもしれませんね。
内田院長 各種性病検査ができるブライダルセットというものもありますからね。結婚前に受けておくといいでしょう。
――ちなみに、性病になってしまった場合「性交渉」を控える期間というのはどれくらいなのでしょうか?
内田院長 クラミジアなどの場合は、当院では念のため4週間ということになっています。
――その期間はガマンですね。
彼氏が性病になってしまった場合は、まずは二人でクリニックに行って検査・治療ということです。
また、性病の原因が必ずしも彼氏の浮気ではないこともあるので、彼氏が「性病になった」とカミングアウトしてきた場合はけんかするのではなく、自分自身が保菌していないかどうかも疑った方がよさそうです。
『あおぞらクリニック』HP
http://www.aozoracl.com