日ごろの身だしなみにおいて、つい気を抜いてしまいがちなのが、鼻毛のお手入れです。しばらく放っておくと、思いのほか伸びていることがあります。
仕事相手に会うにしても、女性と会うにしても、処理は必須です。でも、必要だから生えているのであって、無闇に抜いてはいけません。今回は、看護師の大木アンヌさんに、鼻毛の役割りや正しい処理の仕方についてお聞きしました。
■鼻毛の役割り
「鼻毛の役割りはおそらくご存知の方も多いでしょう。息を吸い込んだときに体内にゴミや異物を取り込まないための、フィルターとしての働きをしています。
そしてもうひとつ、臭いを嗅ぎ分ける役割りも果たしています。生えている鼻毛のなかには『嗅毛』という種類のものがあります。嗅毛には嗅覚受容体が備わっていて、捉えた臭い物質を判別して脳へと伝えます」
■抜きすぎは嗅覚に悪影響
「鼻毛の処理の方法は、抜くか切る。最近では、ワックスを使った脱毛が流行しています。鼻のなかにワックスを詰め、棒を差し込み、固まったら一気に抜く方法です。
手軽で痛みもそれほどありません。しかし、この方法だと、先ほどの嗅毛も一緒に抜けてしまう恐れがあります。
そうなると、嗅覚に支障をきたし、臭いが嗅ぎ分けられなくなることも。また、フィルターがなくなることで風邪なども引きやすくなります。さらには抜いた場所から細菌が入り込み、感染症を引き起こす可能性も否めません」
■正しい処理の仕方
「もし鼻毛を抜いたのであれば、処理後はしっかりアルコール消毒をしてください。細菌が入り込んでしまうと、毛嚢炎(もうのうえん)などの症状に繋がります。なるべく、鼻毛の処理は切るようにしましょう。
その際に使用するのは、カッターやハサミ。ハサミの場合も尖ったものだと、鼻の内側を傷つけてしまう恐れがあります。そうなるとまた感染症の危険性も出てくるので、専用の先の丸いものを使うようにしてください」
やはり、鼻毛は必要だから生えているのです。
入念に処理しすぎて、身体に悪影響を及ぼしては意味がありません。意識するとキリがないので、鼻から出ているものを処理するぐらいがいいのかもしれません。鼻毛と上手に付き合っていきましょう。