スウェーデン・ヨーテボリ大学(University of Gothenburg)の研究チームは18日、膵臓(すいぞう)がんの診断を現在よりはるかに早い段階で可能にする新たな手法を開発したと発表した。
この検査は、膵臓がんの初発症候を97%の精度で検出するため、膵臓がんと診断された人々の生存率が低い現状を改善する一助になるに違いないと研究チームは期待している。
膵臓がんは、腫瘍が気付かないうちに成長し、他の臓器にまで広がってから発見されるケースが多いため、診断後5年以上生存率は5%程度となっている。
イエーテボリ大・サールグレンスカ・アカデミー(Sahlgrenska Academy)の研究チームの一員、カロリナ・ジャバー(Karolina Jabbar)氏は、声明の中で「この手法により、膵臓がんが治療・予防が可能な段階で早期に発見される事例を増やせるに違いないと、われわれは大いに期待している」と述べている。
同氏はAFPの取材に「この分析法のおかげで、膵臓がんがどのステージにあるかを知ることができる」と語った。
検査の仕組みは通常の内視鏡検査と同様で、患者の口から胃にチューブを挿入する。
「違いは、チューブで超音波(画像)撮影を行うため、膵臓をより詳細に確認でき、さらに組織液の採取も可能なことだ」とジャバー氏は説明する。
この検査法は、がんの早期発見だけでなく、不要な手術が行われるリスクの減少にも役立つことが見込まれる。また既存の腫瘍を約90%の精度で検査できるため、患者に緊急の手術が必要かどうかの判断を従来より容易に下せるようになる。