赤ちゃんの気管支炎や肺炎を引き起こすとされる「RSウイルス」。
過去10年間で2番目に多い患者数を記録していて、特に関東圏で感染が多く報告されています。赤ちゃんだけでなく大人もかかってしまうこの病気。ここでは「RSウイルス」について簡単にみてみましょう。
◆「RSウイルス」ってどんなもの?
「RSウイルス」と聞いてピンとくる人は少ないかもしれません。ある医薬品メーカーが行った調査では、どのような病気を引き起こすか知っている母親は約30%程度。さらに約半数の人が対策をしていないことがわかりました。
厚生労働省によると、RSウイルスは主に呼吸器に感染するもので、生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼ100%の乳幼児が少なくとも1度は感染するとされています。
毎年冬に患者数が増えると見ていますが、近年では夏にかかる人も増えてきたとのこと。今後も感染地域や年齢が広がったり、重症になってしまったりといった可能性があるので注意が必要です。
大人がRSウイルスにかかっていても症状が軽いため、見落としやすいのが難点。自分やまわりも気付かないうちに、赤ちゃんと接して感染させてしまう可能性もあるのです。免疫力が弱い赤ちゃんがかかると重症化する場合もあるため油断できません。
◆どんな症状が特徴なの?
せき・くしゃみ・発熱・のどの痛みといったカゼのような軽いものから、肺炎のように重いものまで症状はさまざま。特に初めて感染した場合はひどくなりやすいといわれていて、赤ちゃんが感染した場合、細気管支炎や肺炎を引き起こす可能性があるといわれています。
感染してから4~6日間の潜伏期間の後、熱や鼻汁といった症状が続きます。重症の場合はさらにせきがひどく深刻なものとなり、「ぜーぜー」と呼吸が荒くなり、呼吸困難や細気管支炎、肺炎へと進行する場合もあります。
さらに無呼吸発作、急性脳症などの重篤な合併症の危険性も指摘されています。
◆どんな予防方法が効果的?
感染している人との直接・間接接触でうつることのほか、せきやくしゃみ、会話をした時の目に見えないしぶきなども要注意です。手についてから約30分でうつるほど高い感染力を持っていると言われています。
予防策としては日常的にマスクをすることが手軽で有効。また、子どもが良く手にするおもちゃや手すりなどは、こまめに消毒しましょう。流行しやすい時期には、あまり人混みに連れていかないのも対策のひとつ。
もちろん、手洗い・うがいといった基本的な衛生習慣や、規則正しい生活で体力・免疫力をつけておくことも大切です。2014年現在、特効薬や予防するワクチンはないので日常的なケアをしっかり心がけておきましょう。