「年金4000万円問題」は、金融機関が作り上げた「フィクション」だと荻原博子が断言するワケ | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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本当に4000万円も必要?

今年5月にテレビ朝日のニュース番組『グッド!モーニング』が「このままだと老後資金は2000万円ではなく、倍の4000万円不足する可能性が出てきた」と放送。SNSでは批判的な投稿が相次ぎました。

 

今、物価が上がっているのはご承知の通りですが、今後20年間にわたり物価の上昇率が3.5%だったら、老後に必要な金額もその分だけ増えて行き、2000万円ではなく4000万円足りなくなるというわけです。

 

2019年に、「老後資金が2000万円不足する」問題で大騒ぎとなったことは多くの人が記憶していると思いますが、今度は不足分が2倍になったのですから、炎上するのも頷けます。

 

しかも、これは生活費だけの話。老後に必要となる介護費や医療費を含めると5000万円以上のお金が足りなくなると言うのですから、放送を見て絶望的な気持ちになった方も多かったことでしょう。

でも、この番組には裏があるようです。

「2000万円問題」すら存在しない

第一生命経済研究所主席エコノミストの永濱利廣さんは、「最初は、僕のところに、老後2000万円よりも膨らました金額で試算できないかという依頼が来たのですが、どう計算しても4000万円になどならない。

 

それで、しっかり計算して出したにもかかわらず、僕の計算はボツになり、大きく膨らませて計算できる別の人に頼んだ。失礼な話ですよ」とお会いした時に怒っていました。

 

どういうことでしょうか。推測するに老後2000万円を4000万円に増額することが、企画の前提だった可能性があるのではないでしょうか。

 

テレビ局が、事実ではないことを知っていながら話を大きくすることで視聴率を稼ごうとしたとすれば極めてあざといのですが、私がより悪質と思うのが、この騒ぎに便乗して、商売に繋げようと必死な金融機関が出てきていると言うことです。

 

2019年に飛び出した「老後2000万円不足する問題」は、金融機関にとっては願ってもないものでした。多くの人が老後不安を増大させ、投資に関心を持ち始めたからです。

 

しかも、今年の1月から新NISAがスタートし、日経平均が4万1000円を超えたことで投資熱に拍車がかかり、雪崩を打って多くの人が投資を始めました。

 

ところが、その日経平均が瞬く間に3000円も下がりし、ネットではいま、リスクを取って資産運用を始めたことを後悔する投稿が相次いでいます。

 

このままでは一旦火が付いた投資熱が冷めてしまいかねません。

 

そこに危機感を覚えた金融機関が、「物価高」「インフレでの預金の目減り」「老後不安」「4000万円不足」をキーワードに「老後2000万円不足問題」の時のように投資を煽り立て、新たな顧客獲得を狙おうとしているではないでしょうか。

 

でも結論から言えば、そんなセールストークを信用して、投資をする必要はありません。「老後4000万円不足する問題」は架空の話でありフィクションでしかないからです。

 

4000万円問題のいかがわしさを指摘する前に抑えて欲しいことがあります。それは、そもそも、「老後2000万円不足する問題」すら、すでに存在しないのです。

 

後編記事はこちら:ダマされたら、誰も助けてくれない…老後資金を作るには「投資しかない」という大ウソ