飲んでいると「胃がん」になってしまう「胃薬の名前」【PPI、タケキャブ、H₂ブロッカー...】 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

その胃薬が胃がんの原因に

いま自分がどんなクスリを飲んでいるのか、手元の「お薬手帳」を確認してほしい。もしそのなかに、記事末の表にあるクスリが含まれていたら、あなたは胃がんのリスクを抱えたまま生きていることになる。

 

「近年、あるタイプの胃薬が、胃がんの原因になっている可能性が世界中で指摘されており、医療界で問題視されています」

 

そう語るのは、朝日生命成人病研究所の新井絢也氏だ。

胃薬は胃酸の分泌を抑えることで胃を守る。主なタイプは次の3種類だ。

 

(1)プロトンポンプ阻害薬(PPI)

オメプラール、オメプラゾン、タケプロン、パリエット、ネキシウム

 

(2)カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)

タケキャブ

 

(3)H₂受容体拮抗薬(H₂ブロッカー)

ガスター、アルタット、タガメット、プロテカジン、アシノン

 

胃酸は食べ物の消化を助けるだけでなく、殺菌効果もあり、人体にとって重要な役割を持つ。いっぽう、胃酸が過度に分泌されてしまうと、胃の粘膜を壊したり、胃酸が逆流して食道の粘膜がただれたりする。

 

そうなると胃潰瘍や消化性潰瘍、逆流性食道炎などの病気を発症してしまう。こうした症状を、胃酸を抑えることで解決しているのが胃酸抑制薬だ。なかでも、PPIとP-CABが胃酸を抑える効果が高く、広く治療に使われている。

胃がんリスクがあるクスリはこれだ

こうした胃薬を、胃潰瘍などの一時的な治療のために短期間服用する分には、問題はない。危険なのは長期にわたって飲んでいる場合だ。

 

たとえば、医師から血液をサラサラにする抗凝固薬などと一緒に「副作用で胃潰瘍にならないために合わせて飲んでください」と予防目的で処方されていたり、あるいは「複数のクスリを飲んでいるので、胃が荒れないように出しておきますね」と医師が善意で処方していたりするケースもある。

 

胃酸を抑えるクスリを飲んでいる自覚がなくとも、じつは知らず知らず飲んでいた―という場合があるので要注意だ。

 

話を胃がんに戻そう。胃酸を抑えるクスリのなかでも、PPIとP-CABの2種類が、なんと「胃がんをもたらす」という結果が最新の研究で明らかになったのだ。論文を発表した前出の新井氏が解説する。

 

「PPIと胃がんの関連性はすでに海外の研究で指摘されていたので、私たちの研究グループでは、日本で広く使われているP-CABを対象とし、国内の患者約5万4000人のデータをもとに調査しました。

 

その結果、PPIと同じくP-CABも、胃がんの発症リスクを高めることがわかったのです」

 

P-CABには武田薬品が’15年に発売した前述のタケキャブという商品がある。その胃酸を抑える力はPPIよりも強く、“効く”として広く使われている胃薬だ。

 

後編記事『「胃薬を飲むと胃がんになる」その驚きのメカニズムと「危険なクスリ」の名前』へ続く。

「週刊現代」2024年6月8・15日合併号より

飲んでいると「胃がん」になってしまう「胃薬の名前」【PPI、タケキャブ、H₂ブロッカー...】

飲んでいると「胃がん」になってしまう「胃薬の名前」【PPI、タケキャブ、H₂ブロッカー...】© 現代ビジネス

飲んでいると「胃がん」になってしまう「胃薬の名前」【PPI、タケキャブ、H₂ブロッカー...】

飲んでいると「胃がん」になってしまう「胃薬の名前」【PPI、タケキャブ、H₂ブロッカー...】© 現代ビジネス