老化を防ぎたいならコレに気をつけて。AGEを避ける食事術 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

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教えてくれた人:牧田善二さん

まきた・ぜんじ/〈AGE牧田クリニック〉院長、糖尿病専門医。ロックフェラー大学医生化学講座などでAGE研究を約5年間続ける。北海道大学医学部、久留米大学医学部を経て現職。医学博士。

食べ物から危険なAGEを取り込まないコツが知りたい

食べ物にどのくらいAGEが含まれているのか。まずは、下の一覧量で確かめてみてほしい。

 

AGEは、糖質とタンパク質のアミノ基が結びついて生じるから、基本的にタンパク質が豊富な肉類や魚介類に多い傾向がある

 

とはいえ、貴重なタンパク源である肉類や魚介類を永遠に控えるわけにはいかない。大切なのは、どう食べるか。

 

高温で加熱するほど、食品中のAGEは増えます。とくに黒く焦げた部分にはAGEが多いので、避けるようにしてください。生で食べられる新鮮な魚介類はぜひ刺し身で。それ以外の魚介類や肉類は、茹でたり、蒸したりして調理しましょう。

 

牛肉や豚肉は焼いたりせず、薄切り肉をしゃぶしゃぶで楽しんでください」

 

揚げ物の油は170〜180度になるし、グリルの直火は300度を超える。一方、茹でる(しゃぶしゃぶを含む)、蒸すといった調理法はお湯や蒸気で加熱するから温度は100度以上にならず、AGEは必要以上に増えない

 

そしてAGE対策で絶対に欠かせないのが、禁煙。タバコは、生葉を高温乾燥させて作るから、その煙にはAGEがたっぷり含まれており、食べ物と同じく約7%が体内に入ってくるのだ。

おもな食品のAGE量(exAGE/100g)

おもな食品のAGE量

おもな食品のAGE量© Tarzan 提供

 

タンパク質を含む食材を高温で加熱するほど、AGEは増えてくる。魚介類、野菜、豆腐のように生で食べられるものはできるだけ生で、それ以外は茹でたり、蒸したりして食べよう。

 

出典/昭和大学医学部山岸昌一教授監修『AGEデータブック 数字でわかる老けない食事』(万来舎)

甘いものに多い果糖がとくにAGEを作りやすいってホント?

糖質の摂りすぎはAGEを溜めやすいが、ことに注意が求められる糖質がある。それが果糖

 

糖質とひと口に言ってもいろいろな種類がある。よくよく分析してみると、糖質の性質により、AGEの生じやすさには大きな違いがあるとわかってきた。なかでも体内でAGEをいちばん作りやすい糖質が果糖なのである。

 

果糖は砂糖の成分。砂糖は、果糖とブドウ糖が結合したものだ。また、英語でフルーツシュガーという通り、果物にも多く含まれている。果糖がAGEを作るスピードは、もっともAGEを作りにくいブドウ糖の10倍にも達するというから看過できない。

 

果糖は、摂取すると8割ほどが肝臓で脂肪に変わり、脂肪肝に陥りやすい(詳しくはこちらの記事:「糖類」制限から気軽に始めてみる)。ただそれは、いわば「肉を切らせて骨を断つ」高等戦術であり、果糖でAGEが増えないように防ぐ防衛反応だという説もある。

 

果糖は、砂糖や果物ばかりではなく、もっともポピュラーかつ安価な甘味料である異性化糖の主要な成分でもある。異性化糖は、甘い清涼飲料水お菓子などに幅広く含まれる。これらの過食も体内でAGEを増やすことにつながると覚悟してほしい。

AGEの害を抑える食品があったら教えて

糖化とともに抑えたいのが、酸化。糖化と酸化がタッグを組むと、坂道を転げ落ちる雪だるまのように、体内あちこちにネガティブなインパクトが波及する。

 

糖化を防ぐため、糖質量や果糖の摂取をコントロールするなら、あわせて気をつけたいのが、酸化ストレスを減らすこと。糖化と酸化をダブルプレーで封じられたら、そこから生じる炎症もセーブできるから、糖化×酸化×炎症というトリプルパンチによる老化や生活習慣病、シミやシワといったトラブルは回避できる。

 

抗酸化作用が高いのは、何よりも野菜。ニンジンなど色の濃い緑黄色野菜のβ-カロテン、ブロッコリーやホウレンソウのビタミンCといったビタミンは、抗酸化力が高い。

 

この他に野菜には、トマトのリコピン、キャベツや大根のイソチオシアネートのように、植物が作り出す有用成分フィトケミカルの一種として、抗酸化作用を有するものも少なくない。根菜以外の野菜は総じて低糖質だから、糖化を促す心配もない。

 

果物にも抗酸化作用を持つビタミンやフィトケミカルを含むものは多いけれど、AGEを作りやすい果糖など糖質も多め。ジュースなどで大量に摂るのは避けたい

危険なAGEの受容体をヒトが持つ理由

AGEが無数にあったとしても、それをキャッチするRAGE(詳しくはこちらの記事:老化に影響する「糖化」原因のAGEを防ぐ)を持たなければ、AGEがもたらすさまざまな害とは無縁なはず。それなのにヒトはなぜRAGEをわざわざ備えるのか

 

実はRAGEは、AGEをキャッチするために存在するわけではない。本来キャッチしたいのは、アンフォテリンというタンパク質。アンフォテリンはRAGEと合体し、胎児の脳が発達する際、神経細胞が増えてネットワークを作る過程で大事な役割を担っているのだ。

 

この他、RAGEは外部からの細菌の侵入をブロックする役目も果たしているという。

 

脳の成長が終わるとRAGEはアンフォテリン以外の物質も取り込み始める。それがAGEだ。RAGEがAGE以外にもキャッチする物質がある。その一つが、アルツハイマー病をもたらす前述のアミロイドβというタンパク質。

 

また、がん細胞が転移するときに働くタンパク質も、RAGEと結合して機能する。認知症やがんには、AGEとともにRAGEも深く関わっているのだ。RAGEなしに脳は十分発達できないが、反面、がんや認知症などの呼び水となるのだから皮肉な話だ。