「ダイエット情報で溢れていて、結局いったい何が正解なの?」という疑問を持ったことはないですか?
実際に「ダイエット方法」と検索すると、3.5億件を超えるページがヒットします。
この中から1つ自分に合っていそうな方法を選ぶことがそもそも無理難題。人口3.3億人のアメリカで「どこにいるか分からないけど、この人を見つけてきてください」と言われているようなものです。漠然としすぎていて、探し方から探さなければいけない状態ですよね。
こんなにダイエットを成功させるための情報があるのに「ダイエットを始める人の8割以上が失敗する」と言われています。言い換えれば、「自分に合った方法にたどり着ける人が2割もいない」という現状なのです。
今のダイエット業界には、「これさえやれば即やせ!」というダイエット方法を教えてくれる情報はたくさんありますが、「自分に合った方法の探し方」を教えてくれる情報はほとんどありません。
私のパーソナルトレーナーとしての役割が、まさに「自分に合った方法にたどり着くお手伝いをすること」なのですが、悲しいことに、気合が足りない人のケツを叩いて鼓舞することが仕事だと勘違いしている人が(トレーナーも含めて)多くいるんですよね。
実際は、いったん自分に合う方法・情報にたどり着くことができれば、後は身体と心がキラキラするままに過程を楽しむだけなので、気合も根性も必要なく結果につながります。
- 何度やってもうまくいかない
- 結局万年ダイエッターになってる
- 夏が来るたび「この夏は!」と言ってる
- 思い通りにできない自分にイライラする
- 自分でコントロールできない食欲や身体に自己嫌悪
こんなことに心当たりがある人、安心してください。ダイエットが成功しない原因は、あなたの「努力不足」でも「気合い不足」でも「続かない性格」でもありません。
「そもそも自分に必要なダイエット情報へたどり着いていないこと」にあるんです。
自分に合った情報の探し方①
ダイエットの分かれ道は、スタートする前、つまり「ダイエット情報を探している時には」すでに始まっています。
スタートする前に大切なのが「情報が何を示しているか」の理解。
ダイエットには大きく分けて3つのカテゴリーに分けれられます。
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東洋の考えを根拠に確立された方法
例:薬膳、身体を温める
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西洋の科学的な考えを根拠に確立された方法
例:HIIT、タバタ式
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③根拠はないけれど、TikTok等で話題になった方法
例:中国式ダイエット
②の科学的根拠があることが1番だと考える人は多いですが、それは少し科学を盲信しすぎかもしれません。科学の特徴や短所まで考えると、科学的根拠があるからといって、必ずしもあなたに効果があるとは限らないことが分かります。
例えば、日本に住む子供のいる女性が、アメリカの成人男性を元に研究で見出したダイエット法を真似したとします。ホルモン値も食文化も遺伝的要素も全く異なる人から得た知識をそのまま自分に当てはめても、同じ効果は期待できません。
ライフスタイルも異なるので、研究でデザインされた方法をそのまま実践するのもあまり現実的ではありません。(毎回の食事に30分かけるとか)
また、よく見かけるのは「マウスの実験で明らかになった!」という記事。本来、マウスで分かったことは、人間で実験してみて本当に効果的か試す必要があります。
マウスで成功した心臓移植手術を「この手術はマウスで成功例があります!」って医者から勧められたら、「でも私、マウスじゃないし…」と信憑性を疑いますよね。驚くことに、ダイエットの世界ではこれが蔓延しているんです。
リサーチしている時に「これやったら痩せるって!じゃあ明日からやろう!」と飛びつかないで、「そもそもこの情報は何を示しているの?」と疑問を持ってワンクッション置くだけでも、自分に合わない情報をふるいにかけて失敗を防ぐことに繋がります。
自分に合った情報の探し方②
ある程度、的を絞って情報にたどり着くことができたら、今度は「その方法が自分に合っているかの照らし合わせ」が必要です。
「これさえやっとけばOK!」「痩せたいならこれだけやっときな!」というメッセージの方が分かりやすく、ネットでも人気記事になりやすいです。そういう指示に従うのは、なんだか”前に進んでる満足感”が得られてやっていて心地がいいから。
でも、1番優先されるべきは「やってる感」よりも「実際に効果があること」ですよね。万年ダイエッターになっている人は、この「やってる感」が優先されている傾向にあります。
自分の身体で数ヶ月試してみて、すんなりとライフスタイルに溶け込むか、実施することで身体も心もキラキラするか、「やらなきゃ」より「やりたい」の気持ちが湧き出るか、身体にも心にも変化が実感できるか。
「目に見える変化」だけでなく「目に見えないけど感じる変化」にも意識しながら「この方法を続けたいか?」と自問してみてください。
自分に合った情報の探し方③
「情報探し」と言うと、探すことにばかり焦点が行きますが、最も大事なのは「そもそもなんで痩せたいの?」という根本的な動機の理解です。
ワンピースのルフィが「海賊王に、俺はなる!」と命をかけることが出来るのも、タッチの上杉達也が甲子園を目指して一生懸命になれたのも、根本的な動機(Why)をしっかり理解していたから。
「どうやって痩せるの?(How)」は「なんで痩せたいの?(Why)」の後に来ることです。
Whyの理解をすっ飛ばしてHowに一生懸命になっても、探す情報の方向性を間違っているので、いくら努力を積み重ねたって目的地にはたどり着けません。
努力の方向がズレていることにも気づかないまま進み続けた人たちが行き着く先は、「頑張ってるのに結果が出ない!」な空回りダイエット。
自分のダイエットの動機について深く向き合うこともなく、「痩せるならこれ!」という方法論に飛びつくのは、コンパスを持たずに大海原に船を出るようなものなのです。
あなたの「痩せたい」が達成されると、どんな未来が待っているんだろう?それは痩せなきゃ達成できないことなんだろうか?
「痩せたい」と思い始めたきっかけは何だったっけ?犠牲の上に成り立つ未来が欲しいんだっけ?その理想のボディは、誰の影響で生まれたイメージだったんだろう?
自分のWhyを知るための質問の角度はたくさんありますし、その人の人生の歩み方によって多様に変わります。教科書に載っているような正解はありません。
情報探しに躍起になってスクリーンとにらめっこになる前に、一人でカフェに座って、ボーッと景色を見ながら「そもそも、私、何で痩せたいんだっけ?」なんて考えを巡らせるのも、あなたの人生を変える有意義な時間となるかもしれませんね。
mikiko
パーソナルトレーナー|自身の失敗経験を元に個人差や体質を重視した『mikiko式フィットネス論』を提唱|身体と人生観が変わるフィットネス哲学で、一生ブレないための視野と学びを発信しています|流行を根拠と本質で斬る人| 筑波大学健康増進学修士|NZベストトレーナー入賞