「鉄分が足りているか」を知るためにはココを見よ!血液検査で注目すべき「意外な項目」 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

毎年1回は受けることが義務付けられている職場健診。健診結果の異常を示す「*」がついた数値には、実は気にしなくて良いものもあれば、今すぐに再検査を受けなければならないものもある。

 

果たしてあなたは診断結果の本当の意味を理解しているだろうか。

 

BMI・血圧・尿糖・眼底など項目別にその検査結果の正しい見方を解説した『健診結果の読み方』(永田宏著)より一部抜粋してお届けする。

 

『健診結果の読み方』連載第12回

『患者が増えて「トク」⁉…「健診基準値」のウラに隠された「黒すぎる」思惑と誰も知らない「基準値の真実」』より続く

貧血3項目とは

血算検査とは、血液中の細胞成分である赤血球、白血球、血小板の数や大きさと、ヘモグロビン量やヘマトクリットと呼ばれる項目を調べる検査です。貧血や白血病などのスクリーニングに欠かせないため、職場健診の必須項目に入っています。

 

このうちとくに「赤血球数(RBC)」「ヘマトクリット(HtまたはHct)」「ヘモグロビン量(Hb)」の3つは、貧血の有無を調べる項目です。

『健診結果の読み方』永田宏著

『健診結果の読み方』永田宏著© 現代ビジネス

 

赤血球は体のすみずみに酸素を運搬する細胞です。基準値は、男性で400万~550万個/μL(マイクロリットル、1ミリリットルの1000分の1)、女性では350万~500万個/μL程度です。

 

ヘマトクリットとは、血液に占める赤血球の体積の割合(パーセント)です。採血した血液を遠心分離機にかけると、血球成分と血漿(液体成分)に分かれるので、そこから赤血球の体積を測って、全血液の何パーセントに当たるかを割り出します。基準値は男性で40~50パーセント、女性で34~45パーセントです。

 

ヘモグロビンは、赤血球のなかに詰まっている酸素運搬用のタンパク質で、「血色素」とも呼ばれます。その中心に鉄原子がはまっていて、それが赤い色を呈するため、血液が赤く見えるのです。基準値は男性で14~18g/dL(デシリットル)、女性で12~16g/dLです。

貧血を治すのは大変

蛇足ですが、赤血球を顕微鏡で見ると、ほとんど無色透明で、なにを見ているのかすら分かりません。ヘモグロビンが赤いと言っても、ごくごくわずかに発色しているに過ぎません。しかしそんな赤血球が何十万、何百万個と集まれば、くっきりと赤く見えるのです。

 

貧血3項目が低いと、貧血の可能性が指摘されます。多くは無症状で、健康上の問題はありません。しかし重くなると顔色が悪くなる、息切れ、めまい、立ち眩み、頭痛などといった、低血圧とよく似た症状が出ます。

 

そのため低血圧と貧血は混同されることが多いのですが、これらはまったく違う病気です。ただし女性では、両方持っているというひとも少なくありません。

 

貧血の大半は「鉄欠乏性貧血」と呼ばれるものです。鉄分の不足により、体内で作られるヘモグロビンの量が減って、結果的に貧血になるのです。とくに生理がある女性の3割が、これに該当すると言われています。

 

症状が重い場合は、病院に行くと「鉄剤」と呼ばれる、鉄分補給用の薬が処方されます。しかし副作用(はき気、便秘、下痢など)が強いため、ひとによっては長期的に飲み続けるのがかなり難しいそうです。

 

レバーやカツオなど、鉄分の多い食品を摂ればある程度補給できますが、たくさん食べるのも大変です。鉄欠乏性貧血は、治そうと思うと結構大変です。手軽ですぐに効果が出るような対策は、ほとんどありません。

知名度の低い「赤血球恒数」

健診では赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビン量の3つから「赤血球恒数」と呼ばれる3項目も計算しています。

 

MCV(赤血球の大きさ)

MCH(赤血球1個に含まれるヘモグロビン量)

MCHC(赤血球の中のヘモグロビン濃度)

見たことのないような項目ですが、健診結果をよく見ると、これらの数値と基準範囲が書かれています。もしお手元に最近の健診結果があったら、確認してみてください。

 

MCV、MCH、MCHCがいずれも基準値より低いと、鉄欠乏性貧血の可能性が高いとされています。自分が鉄欠乏性貧血かどうかを確認するのにいいでしょう。

 

基準値はそれぞれ次のようになっています。

MCV(fL):85~102

MCH(pg):28~34

MCHC(%):30.2~35.1

 

またMCVが基準値より高いとビタミンB12欠乏性貧血かもしれません。これは血液の病気ではなく、胃炎が原因で起こる貧血です。胃炎で食物からのビタミンB12の吸収が悪くなると、貧血を起こしやすくなるのです。

 

胃炎だけでなく、菜食主義者でもMCVが高く出ることがあります。しかしこれら3項目を重視するお医者さんはあまりいないので、我々も気にしなくていいと思います。

 

『血を抜いて「心筋梗塞と脳梗塞を予防」…⁉ 赤血球数に隠された「恐ろしすぎる」病気の正体』へ続く