栄養モリモリ ミドリムシ…食べて飲んで、人気広がる | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
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●動く藻類

 スーパーやコンビニエンスストアで、ミドリムシ(学名・ユーグレナ)入りの食品や飲料を目にする機会が増えてきた。豊富な栄養素に着目した食品メーカーなどが商品化を進めている。

 ミドリムシは、池や田んぼなど主に淡水に生息する藻類。名前に「ムシ」とあるが、昆虫ではない。体長は0・05~0・1ミリと、顕微鏡を通さないとはっきり見えない微細な単細胞生物だ。

植物と同じように光合成で栄養分を体内にため込む一方、細胞を変形させて自力で動く。生物学上はワカメやコンブの仲間だが、植物と動物の両方の性質を併せ持つ。

 栄養成分も、植物に含まれるビタミン類やミネラル、人の体内では作れない必須アミノ酸、サバやイワシなどの青魚に多いDHA(ドコサヘキサエン酸)など計59種類が確認されている。

植物にある「細胞壁」がないため、人の体内で効率よく栄養を吸収できるとされ、「未来の健康食材」として注目を集めている。

 この素材を商品化につなげてきたのが、学名をそのまま社名にした新興企業のユーグレナ(出雲充社長、東京都文京区)だ。研究者らが設立した同社は、外敵が寄りつきにくい特殊な培養液を開発し、屋外でミドリムシを大量生産できる技術を2005年に確立した。

ミドリムシの光合成に欠かせない日射量も多い沖縄・石垣島に、年間60トンの粉末を生産できる設備を整え、食品メーカーなどに提供している。

●多様な商品

 ミドリムシの粉末はうぐいす色で、抹茶とほとんど見分けがつかない。藻類だけに、そのままなめると昆布だしのような味だ。

 当初はなかなか受け入れられず、サプリメントなどに限られていた。だが、コンビニ大手のファミリーマートや流通大手ユニーグループが昨秋、ミドリムシ入りのヨーグルトを販売すると、「30~50歳代の女性を中心に人気が広がった」(ファミマ広報)という。

イトーヨーカドーは、今月13日から全国160店舗で、食品メーカーと共同開発したポテトチップス(税込み135円)や即席みそ汁(同140円)、飲料など17品を一斉に発売した。4月にクッキーやスープなど9品を数量限定で売り出したところ好評で、第2弾として始めた。

 首都圏中心に展開する小田急百貨店も今月から、ミドリムシ入りおせち料理の予約を受け付けている。ラーメン店やカフェなどでも、メニューに採り入れる店が出始めている。

 大阪府立大の乾博教授(栄養学)は、「様々な可能性を秘めた面白い素材だ。ただ、今のところは、お年寄りや子供など栄養が不足したり、偏ったりしがちな人向けの栄養補助食品と考えるのがいい」としている。
薬、化粧品、燃料…驚きの力

 ミドリムシの活用は食品や飲料以外にも広がっている。

 武田薬品工業は今月16日、食物繊維のように油分や脂質を吸着するミドリムシの独自成分「パラミロン」を使い、新たな医薬品などの開発を進めると発表した。

 エステティックサロンの「ソシエ・ワールド」は今月、ミドリムシを使った化粧品を発売した。

 このほか、ユーグレナはいすゞ自動車とミドリムシから油を抽出し大型車向け燃料に加工する共同開発を開始した。また、日立製作所などと連携し、飛行機のジェット燃料の研究も進めている。いずれも2018年までに生産技術を確立するのが目標だ。