北の湖理事長の死因となった「直腸がん」の再発について考える | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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日本相撲協会・北の湖理事長が亡くなられました。「直腸がんによる多臓器不全のため」と報じられています。北の潮理事長は2012年に直腸がんの手術を受けています。

 

死因が直腸がんであるということは、手術後に再発があったということでしょうか。ここでは、直腸がんを含む大腸がんの再発について見てみましょう。

◆「大腸がん」の再発リスク

大腸は長さ2mほどの臓器です。日本人の場合は肛門に近い直腸と、肛門から離れたS状結腸にがんができやすい傾向にあります。直腸にできるがんを直腸がんといいます。

大腸がんの再発率はステージによって異なります。

・ステージ1:再発率3.7%
・ステージ2:再発率12.5%
・ステージ3a:再発率24.1%
・ステージ3b:再発率40.8%

ステージ1はがんが大腸の内側の壁の浅い部分(筋肉の層)にとどまっている段階です。この段階で治療をしたときの再発率はかなり低いことがわかります。ステージ2は筋肉の層を超えてがんが広がっている段階で、再発率は1割以上となります。

さらに、3個以下のリンパ節に転移のあるステージ3aになると2割以上、4個以上のリンパ節に転移のあるステージ3bになると再発率は4割を超えてきます。

北の潮理事長は、直腸がんの手術を「内視鏡手術」で行ったと報道されています。内視鏡手術が適応となるのは、がんが大腸の壁の粘膜にとどまっているステージ0か、筋肉の層にとどまっているステージ1に限られます。

従って、最初に直腸がんが診断された時点では、まだ初期のがんであり、再発率も低かったはずです。手術後の3年間における体調の変化が大きかったのではないかと推測されます。

◆「大腸がん」の3つの再発

大腸がんの再発は次の3つに分類されます。

・局所再発:
もともとがんがあった場所に再びがんができることを局所再発といいます。広い範囲を切除する結腸がんに比べ、骨盤に取り囲まれた直腸がんに局所再発が起こりやすい傾向があります。

・遠隔移転:
大腸で発生したがんが、大腸以外の肺や骨、脳、肝臓などに飛び火してしまう再発です。他の臓器にがんができることを遠隔転移といいます。

・腹膜播種:
腸にできたがん細胞が腹膜にこぼれて、腹部のあらゆる場所へと広がっていくことを「腹膜播種」といいます。大腸がんの進行が進んでいるステージ3の場合は、再発率も高くなるので術後に化学療法が行われています。

再発率はあくまでも集団として見たときの確率です。個人の再発リスクを正確に予測するものではありません。特に個人差のある免疫力は、再発するかしないかを左右する要因になります。

免疫力を低下させないためには、食事や睡眠時間を見直し、生活習慣を改善することが大切です。ストレスが増えるハードな仕事は免疫力を低下させる心配があります。

また、冷え性や虚弱、血の巡りが悪い場合は、血液の流れを活性化させて代謝をよくすることも再発防止につながります。北の湖理事長は個人の利益よりも、公に尽くすことを大切にするお人柄だったと伝えられています。

無理を押して職務を優先されたことも多かったのでしょう。長年、大相撲のために尽力された北の湖理事長のご冥福をお祈りいたします。

監修:坂本忍(医師)