男の更年期障害って何? 生理もないのに更年期って変では? | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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「更年期障害」というと女性特有のものと思いがちですが、実は男性にもあります。閉経というわかりやすいサインがある女性と違って、男性の更年期には目立った徴候がありません。

しかし、「年のせい」では片付けられないほどのつらい症状が出ることもあるため、注意が必要です。ちなみに、「更年期」とはもともと、男女に関係なく壮年から老年への移行期を指す言葉です。
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◆働き盛り世代に多い男性更年期障害

株式会社DHCが実施した調査によれば、日本には男性更年期障害の潜在患者が推定600万人もいるといいます。

具体的には、何もやる気が起きない、朝の目覚めがスッキリしない、身体がだるい、憂うつな気分にとらわれてしまう──という状態が続いているようなら、男性更年期障害の可能性があります。

男性更年期障害は、加齢によって、「テストステロン」という男性ホルモンの一種が減ってしまい、さまざまな症状を引き起こすもの。特に、40~50代の働き盛りの中高年に多いと言われています。

仕事のストレスでうつ病と診断された人が、別の検査を受けたら更年期障害であることが判明したというケースもあります。
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◆原因はテストステロンの減少

テストステロンは、性欲を高める、身体をたくましくする、ひげを生やす、決断力をつけるなど、心身を活性化して、男らしさを発揮する働きをするホルモンです。血管内皮を再生して動脈硬化を防ぎ、脂質代謝を活発にして肥満を防止する働きを持っています。

男性の場合、テストステロンは主に精巣でつくられます。分泌量は20代にピークを迎え、加齢とともに徐々に減少していきます。テストステロンの分泌が減少することによって、さまざまな不調が発生します。それが男性更年期障害の正体です。
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◆男性更年期障害の症状とは

男性更年期障害というのは俗称で、正式な病名は「加齢男性性腺機能低下症候群」(LOH症候群)といいます。身体症状は、骨・関節・筋肉の痛み、発汗、ほてり、睡眠障害、記憶・集中力の低下、肉体的消耗感などです。

精神症状は、抑うつ、落胆、苛立ち、不安、神経過敏、生気消失、倦怠感などで、些細なことでイライラしたりすることが多くなります。ほかに、不眠や集中力の低下、記憶力の低下、性欲の減退、勃起障害などの症状も起こります。

◆男性ホルモン値が下がると内臓脂肪が増える!

テストステロンの値が下がってくると、内臓脂肪が増えることがわかってきています。つまり、男性更年期障害の人は、同時にメタボリックシンドロームのリスクも高くなっていると言えます。
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◆気づかれにくい男性更年期障害

女性の場合は、「閉経の前後5年間」を更年期とする区切りがあります。また、閉経によってホルモンバランスが大きく変化します。これに対し男性は、ホルモンバランスが緩やかに変化していくため、症状が出ていても気づきにくいという特徴があります。

ホルモン減少の影響の度合いは個人差が大きく、まったく気にならないレベルの人がいる一方で、さまざまな症状が出る人もいます。また、何年か経つうちに自然に症状が治まるケースも少なくありません。

男性の更年期障害は、いつ襲われるかわからず、悩みを打ち明ける場所もないため、不安の行き場がなくなってしまう点が大きな問題と言えます。
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◆注意すべき3つの徴候

男性更年期障害を発症した男性には、休日に家の中でゴロゴロすることが増え、急に頑固になりイライラしているかと思うと、ガックリして元気がない、などの症状が見られます。「最近笑わなくなった」「新聞が読めない」「よく眠れない」の3つの徴候が見られる場合は、比較的重い男性更年期障害が疑われます。

できるだけ早めに内科や心療内科を受診し、医師に相談したほうがいいでしょう。性欲の減退、勃起障害がメインの場合は、泌尿器科を受診するのもありです。いずれにせよ、適切な治療を施せば症状が回復は十分可能です。

執筆:南部 洋子(看護師)
監修:岡本 良平(東京医科歯科大学名誉教授)