高血圧と診断されて、薬をやめたい人や、薬を飲むか迷っている人、
減塩せずに食事を楽しみたい人におすすめの方法とは?薬剤師の加藤雅俊氏の著作『1週間で勝手に血圧が下がっていく体になるすごい方法』(日本文芸社)より、薬に頼らずに血圧を下げる方法を紹介します。
副作用の心配なし!
自然の降圧薬はスーパーで買う
読者のなかで「薬を減らしたい」「いずれは薬を卒業したい」という方は、降圧薬と同じ成分をもつ食材を食生活に取り入れてみてはいかがですか。製
薬の原点は自然素材がもつ有効成分からつくること。ですから食品が薬の代わりになるのは当然のことなのです。
紹介するのは一例ですが、スーパーやコンビニなどで買えるものばかり。副作用の心配がなく、安全で安心なのも利点です。
まず紹介するのは「お酢」。酢の主成分である酢酸(さくさん)には、血圧を上げるホルモンを穏やかに抑制する働きがあります。
これは多用される降圧薬の「ARB」と同じ作用で、1日に大さじ1杯のお酢を飲むだけでも効果が期待できます。クエン酸を含むレモンやグレープフルーツ、梅干しも同じ効能をもつので、上手に活用してください。
次は血管拡張作用のある「カルシウム拮抗薬」に代わるショウガです。ショウガを加熱するとジンゲロールという成分がショウガオールに変化。この成分が血管を広げて血圧降下を助けます。
豚肉の生姜焼き、魚の煮物やスープなどに使ってみては。
3つ目の「利尿薬」はコーヒーや紅茶、緑茶で代用できます※。コーヒーや緑茶、紅茶に含まれるカフェインには、優れた利尿効果が認められているからです。
食後に緑茶やコーヒーを飲む習慣のある方は、何気なく実践していることがすでに高血圧対策になっています。
※利尿薬と作用の違いはありますが、尿の排出を手伝う点は同じなので紹介しました。
図表:薬剤師が教える 降圧薬と同じ効果の食材© ダイヤモンド・オンライン
カリウムが豊富に含まれる
イモ類・海藻類・豆類を摂って血圧対策
食の面から血圧対策をするなら、ミネラルの一種であるカリウムを積極的に摂取しましょう。カリウムには血圧上昇の要因となるナトリウムの排出を促す働きがあるからです。
ありがたいことにカリウムは、私たちが普段から食べている食材にも多く含まれています。魚介類ならサワラや銀鮭、イワシの丸干しなどのほか、ひじき、昆布といった海藻類にも豊富です。
肉類では牛のヒレ肉やモモ肉、豚のモモ肉や鶏のムネ肉など。野菜ではホウレン草や枝豆、ジャガイモやサトイモなどのイモ類、大豆製品の納豆も貴重なカリウム源です。
おかずになる食材以外でも、バナナやメロン、イチゴなどのフルーツ、ナッツ類やヨーグルトにも多く含まれているので、朝食やおやつに加えてみるのもいいでしょう。
乾燥わかめをスプーン1杯、味噌汁やスープにプラスするだけでも立派な降圧メニューです。簡単にはじめられるものから取り入れてみてください。
なお、利尿薬を長く服用している方は、カリウムの排出量が増えて欠乏することがあります。これを適切に補うためにも、カリウムの豊かな食品を活用し、おいしく、楽しみながら降圧してください。
ちなみに、カリウムは神経の伝達や筋肉の収縮を正常に保つ、肌荒れを予防するなど、実にさまざまな働きをもっています。
●カリウムの主な働き
・体内のナトリウムを排出して血圧を下げる
・細胞の浸透圧を調整して一定に保つ
・神経伝達のサポート
・体液のPHバランスを維持
・心臓機能や筋肉機能の調整
・筋肉の収縮をスムーズにする
カリウムは細胞に多く含まれるミネラル。過剰に摂取されたナトリウムを排出するほか、筋肉の収縮や細胞の浸透圧を維持するなど、人体にとって重要なさまざまな働きがあります。
図表:カリウムを多く含む食べ物© ダイヤモンド・オンライン