太る原因は食べ物だけじゃない! ダイエットで注意したい落とし穴 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

◆不規則な生活は太るモト

近年の研究では、肥満の原因はカロリーの摂り過ぎによるものだけではなく、朝食を食べない生活や深夜に偏ったライフスタイルなど、生活リズムの乱れが大きく関係することがわかってきました。

実は、日本人が摂っているカロリーの平均は年々減少しているのに、メタボリックシンドロームの疑いがある人は年々増加(昭和50年は2188kcalなのに、平成16年では1902kcal。でもメタボの中高年男性比率は近年約50%にも!)しているんです。これって不思議だと思いませんか。
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◆朝食抜きは太りやすい体質のモト!

朝食をとらないと、その分だけカロリーが減っているわけなので、痩せるような気がしますよね。でも近年はそうではないということがわかってきました。実際、朝食をとらない人の方が食べている人の5倍も太りやすいという結果が。その理由は次のように分析されています。

●1.食べないと身体を動かせない

朝食で炭水化物をとると、身体の代謝が高まる傾向にあります。食べないと体温が低くなり、代謝が低下して太りやすくなるという研究結果が出ています。

●2.炭水化物抜きはリバウンドの原因に

脳の唯一の栄養は糖質(炭水化物)です。炭水化物を食べないと、体についている筋肉を分解してエネルギーに変えて使い始めるという作用を起こします。そうすると、PGC-1αというタンパク質の活性が低くなり、身体の筋肉量が減るため、基礎代謝量が低下します。なんと、食べなければ食べないほどに太りやすくなるという皮肉な結果が明らかに。

●3.朝食べないと体脂肪が増える

空腹から急に満腹になるまで食べることを繰り返していると、インスリンが過剰に出されて体脂肪合成が活発になり、太りやすくなります。朝を抜いたら昼夜がどうしても多くなるもの。偏った食べ方はNGなんです。

●4.生活の乱れは遺伝子にも悪影響

時間遺伝子と呼ばれる遺伝子は、朝食を食べないと飢餓の危険を感じて、極力動かないようになり、同時に体脂肪合成を促進してしまうという恐るべき働きがあり、結果として太ってしまうということがわかってきています。

◆食べる行為はエネルギー消費行為でもある

実は食事をすると、食事誘導性熱産生と呼ばれるエネルギー消費があります。つまり、食べたもののカロリーの他に、食べたものを消化するために使うカロリーがあるということです。食事を抜くと、カロリー消費の面からは効率が悪く、太りやすい体質になるモトだという指摘もあります。

◆夜遅い食事はやっぱり太る

21時を過ぎたら食べないようにした方が良い、というのは時間栄養学の視点からすすめられている考え方です。夜遅くに食べたものは吸収が高く(つまり脂肪になりやすい)、夜遅く食事をする人ほど夜型生活だったり、生活時間が不規則であるという関連性も注目されています。
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◆不規則な生活時間は肥満のモト

昼間だけ働いている人と深夜勤務がある人との間で肥満との関係を比べると、なんと6倍もの差があるとのこと(榛葉、2011)。不規則な生活は肥満につながり、規則正しい生活を送ることは、健康面はもちろんのこと肥満の面にも大きな影響があるということが次々明らかにされています。

実は、睡眠時間が短いと空腹感を促すグレリンというホルモンが多く分泌され、過食の原因になるということもわかってきています。また、夜遅い食事は夜更かしを助長することもわかっており、悪循環につながってしまいます。
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◆こう食べれば太らない! 「太らない時間ダイエット」

夕食をできるだけ早い時間(21時前が理想)に食べて早めに眠り(12時前が理想)、朝はきちんと起きて炭水化物とたんぱく質を含む朝食をとるということが、太らないために大切。朝はぎりぎりまで寝ていて、ダイエットのために抜いたり野菜ジュースだけという方も、少し早起きして手軽なシリアルや卵料理や乳製品などから始めてはいかがですか。

食事の比率ですが、1日の食事のエネルギー摂取量を10としたとき、朝食3、昼食3、夕食4の比率を基本に、ご自身にあわせてアレンジしてみてください。ダイエット中で1日1600kcalを目安にしている場合は、朝480kcal、昼と夜は各640kcalといった具合です。

また、体内時計はもともと25時間をきざんでいるので、朝の目覚めに光を浴びたり朝食をとることで、正常なホルモン分泌が期待できるのだそう。もともと持っている代謝機能を鈍らせないためにも、夜は早めに就寝するように心がけると、太りにくい体質への改善が期待できると考えられます。規則正しく過ごすというのは、健康になるだけでなく、ダイエットにも効果があるというわけですね。

参考:香川靖雄ら、日本栄養・食糧学会『時間栄養学』(女子栄養大学出版部 2011)