【気になるこの症状】“粘膜脱症候群”は大腸がんと酷似!早く鑑別を | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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運動不足や水分摂取の不足は便秘になりやすく、痔にとっては大敵。だが、排便時の出血や血便はさまざまな疾患が疑われる。トイレの“いきみ”で発症する粘膜脱症候群は、大腸がんの症状にも酷似するので早めの鑑別が重要だ。

 ■便秘症の人に発症

 粘膜脱症候群によって起こる排便時の出血(主に血便)は、直腸粘膜にできた病変によるものだ。その唯一の原因について、東肛門科胃腸科クリニック(東京・恵比寿)の東光邦院長は「長い時間、強くいきむ排便習慣が悪い」とこう話す。

 「過度ないきみを繰り返すことで、腹圧によって直腸の粘膜がたるんでしまう。その粘膜同士が擦れて炎症が起こり、潰瘍やポリープができてしまうのです」

 発症のほとんどが便秘症の人。肛門のうっ血が一番悪いイボ痔の予防と同様に、この病気の予防もトイレは3分以内に済ませることが鉄則だ。

 ■しぶり腹で悪循環

 ただし、発症してしまうと黒っぽい血便や赤い粘血便とともに、残便感や排便後もすぐトイレに行きたくなる“しぶり腹”が現れるから厄介だ。

 「炎症の刺激があるので排便してもスッキリせず、実際に便がたまっていなくても便意をもよおしてしまう。またトイレに行っても便が出ないので、頻繁にいきんでしまう悪循環を起こすのです」(東院長)

 さらに悪化すると、たまった便自体も出にくい状態になって、常に便意を感じて不快感が強くなっていくという。

 粘膜脱症候群によってできた潰瘍やポリープががん化することはないが、残便感やしぶり腹は大腸がんの症状のひとつでもある。内視鏡で病変を見ただけでは鑑別は難しいので組織検査が必要だ。

 ■治療は排便習慣改善

 また、“痛みのない血便や粘血便”は、大腸がんや潰瘍性大腸炎の症状でも現れる。東院長は排便時の出血に痛みを伴わない理由をこう説明する。

 「肛門と直腸の境にあるギザギザした歯状線より直腸側は自律神経の支配なので病変ができても痛みがない。歯状線より下だと脊髄神経の支配なので痛みが出ます。ですから、大腸の病変や歯状線より上にできる内痔核(イボ痔)の出血には痛みがないのです」

 加えて、内痔核の出血は肛門に近いため赤い鮮血になる。が、大腸の病変による出血では便と混じるので黒っぽい血便になり、病変が奥になるほど出血は肉眼で分かりにくくなり、確認には便潜血反応検査が用いられる。

 東院長は「いずれにしても内視鏡検査が大事」と念を押した上で、「粘膜脱症候群であれば、緩下剤で便を軟らかくして、便秘にならない食生活、長くいきむ排便習慣を改善すれば自然と治ります」とアドバイスする。

■粘膜脱症候群の概要
【症状】排便時の血便や粘血便、排便後の残便感、しぶり腹
【原因】トイレで過度にいきむ排便習慣によって、直腸粘膜がゆるみ、炎症が起こる
【罹患者の特徴】年齢や性別を問わず便秘症の人
【治療】緩下剤の処方、食物繊維の摂取など便秘にならない食事、3分以内の排便習慣に改善