尋常ではない疲れが半年以上続く!「慢性疲労性症候群」とは | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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「慢性疲労性症候群」がインターネットを中心に話題になっています。厚生労働省が行った実態調査では、患者の約3割が日中の大半を寝たきりで過ごさねばならないほど重症だそうです。

ここでは、慢性疲労性症候群とはいったいどんな病気なのか、見ていきましょう。
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◆慢性疲労性症候群とはどんな病気か

「慢性疲労性症候群」(ChronicFatigueSyndrome:CFS)とは、身体を動かすのも難しいほどの強い疲労慢性的に続く疾患です。原因不明で、症状が6か月以上の長期間にわたるため、日常生活にも支障をきたします。

米国では、10万人あたり38人が慢性疲労性症候群を発症していて、最近では患者数がさらに増えていると言われています。主に20~50代の人に起こり、患者全体では女性のほうが男性より約1.5倍多くなっています。

成人なら誰もがかかり得る病気と言えます。実際、健康だった人が風邪や気管支炎などに罹患したことをきっかけに、症状が長引き、それを引きずったまま発症することが多いと言われています。

休んでも疲れが改善しない、摂食障害や不眠などがある人は注意が必要です。全身の検査をしても他の病気や異常が見つからなければ、慢性疲労症候群が疑われます。
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◆激しい疲労感を中心とした症状

慢性疲労症候群の主な症状は、激しい疲労感です。朝起きた時からひどい疲労を感じ、それが1日中続くという状態が6か月以上も及びます。またこの疲労感は、身体活動や心理的ストレスなどによってさらに悪化します。

なお、仕事や育児など、疲労の原因がはっきりしている場合は単純な「慢性疲労」であり、慢性疲労症候群ではありません。慢性疲労症候群のもう1つの特徴は「微熱」です。

疲労感と併せ、平熱より0.5~1.5度ほど高い状態が半年以上続きます。また、風邪を引いたときのように喉の痛みや頭痛などもすることがありますが、解熱鎮痛剤を使用してもあまり熱や痛みが治まりません。
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◆うつ病などと混同されることがある
 

このほか、自律神経の異常により、寝つけない、眠りが浅い、早く目が覚めるなどの「不眠」や、朝起きられない、日中に極度の眠気に襲われるといった「過眠」の症状が見られます。気分の落ち込みが続き、仕事に出られなくなる場合もあります。

うつ病に似ていますが、うつ病の「抑うつ」症状は朝に重く、午後に軽減される傾向があるのに対し、慢性疲労症候群は午後のほうが憂うつ感が強まる傾向があります。

注意力や集中力の低下なども見られ、物忘れなど認知症のような症状が出る場合もあります。

その他、関節痛、筋肉痛、腹痛などの症状が現れることもあります。これらの症状から、うつ病や精神疾患、更年期障害、自律神経失調症などと誤診されるケースがあるようです。


◆原因には諸説あるも決め手を欠く

慢性疲労症候群が原因が明らかになっていないだけでなく、原因が1つなのか複数なのか、身体的なものか精神的なものかなども議論が続いている状態です。

有力な説としては、ストレスをきっかけに神経系の働きに異常が生じて免疫の働きが低下する→体内に潜伏していたウイルスが活性化→ウイルスを抑え込むために体内で免疫物質が過剰に産生される→過剰に作られた免疫物質が脳の働きに

影響を及ぼして強い疲労感や諸症状を引き起こす──というものがありますが、定かではありません。

また、慢性疲労症状群には、ある特定の遺伝子に関する異常があることも報告されています。いずれにせよ、病気のメカニズムが明らかになるにはまだ時間がかかりそうです。
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◆慢性疲労症候群の診断と治療

慢性疲労症候群の診断を確定できる検査はありません。そのため、同様の症状を起こす疾患を除外するために検査をします。結果、どの病気でもないという場合に「慢性疲労症候群」の診断が下されます。

慢性疲労症候群の症状の多くは、時間が経つと軽減します。ただし、長期にわたる休養や安静はかえって体力が低下してしまい悪化させることがあります。

医療専門家の監督の下に、ウォーキング、水泳、サイクリング、ジョギングなどの有酸素運動を定期的に続けることにより、疲労感を改善し、身体機能を高めることができます。また、行動療法や心理療法が用いられることもあります。
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◆日頃の生活とストレス処理が大事

慢性疲労症候群の初期症状は風邪に似たものなので、内科を受診しましょう。

風邪とは違うなと感じたら心療内科でもかまいません。この病気にかかりやすいのは、真面目で責任感が強い人、日頃から忙しく過度なストレスを抱えている人などだと言われています。

自分にあったストレス発散方法を見つけないと、慢性疲労症候群にはまり込んでしまう可能性があります。

また、睡眠不足が重なると疲労が蓄積されるため、質の良い睡眠をとれるように工夫しましょう。食事もファストフードやコンビニ弁当などで済ませたりせず、3食きちんとバランスのよい食事をとるように心がけましょう。

執筆:南部洋子(看護師)
監修:樋口二三男(医学博士、整形外科医、とらうべ顧問産業医)