【メタボより怖いロコモ】低すぎる骨粗鬆症の治療率 「骨で人生は変わる!」(4) | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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FC2 Analyzer医療セミナー「骨で人生は変わる! 忍び寄る“骨粗鬆(こつそしょう)症”の恐怖とその治療最前線」(主催・日本イーライリリー)のリポート4回目。浜松南病院整形外科・リハビリテーション科、梅原慶太副部長の講演だ。

 前回、欧米では減少している大腿(だいたい)骨近位部骨折が日本では増加の一途をたどっていることを、梅原氏は指摘した。そのわけとして、骨粗鬆症が治療の対象になっていない現実を挙げた。

日本の骨粗鬆症の推定患者数は1300万人だが、治療を受けているのは200万人。

しかも、65歳以上で大腿骨近位部骨折をした人の1年間の治療状況を調べた調査では、治療率が20%にも満たなかったという。

この人たちは骨折を治療するために、整形外科のお世話になっているはずなのに、骨折の原因である骨粗鬆症の治療は受けていないわけだ。

 「これが日本の医療の現実です」と、梅原氏はため息をついた。

 「脳梗塞や心筋梗塞の患者さんに医者は高血圧や高脂血症、糖尿病などその原因を治そうとするでしょう。ところが、整形外科分野では骨折の治療はしても、その原因である骨粗鬆症の治療まではしないという現実があります」

 「Stop at One!」を合い言葉に、骨折の連鎖を断つことが大事だと梅原氏は強調した。

 骨粗鬆症の診断基準は2012年に改定された。ただ歩いていて転んだだけで骨折することを「脆弱(ぜいじゃく)性骨折」というが、その中で椎体骨骨折か大腿骨近位部骨折なら即骨粗鬆症と診断される。

その他の脆弱性骨折は骨粗鬆症の判断基準である骨密度を示す数値YAMが80%未満で、骨折なしの人でもYAM70%以下で、骨粗鬆症と診断されるという。

それまでは手首やかかとで骨密度を測る簡便な方法もあったが、大腿骨近位部か椎体骨で測ると改められたという。

 厚生労働省がまとめた「介護が必要になった原因」(2010年)によると、1位は「脳血管障害(脳卒中)」21・5%、2位が「骨折・転倒・関節疾患」21・1%、3位「認知症」15・3%など。骨折は要介護になる原因の僅差で2位。

その原因が骨粗鬆症なのである。それだけ骨粗鬆症は重大な病気と認識しなければならない。梅原氏の話を聞き、患者と医療者の意識が変わらないと、私の母のような骨折→寝たきりは減らせないのではないかと思った。

 次回に続く。 

 ■ロコモ ロコモティブシンドローム=運動器症候群の略。筋肉や骨などの衰えで歩行などに支障を生じ要介護リスクが高まる。予備軍含め4700万人が危機にある。