卵3個で“心の病気”予防に…鉄不足を解消する食事方法 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

最近、妙に気分が落ち込む、イライラする……そんな人は、もしかしたら鉄分が足りていないのかも−−。

「うつやパニックの症状を訴えて私のクリニックに退院した女性の血液検査の結果をみると、ほとんどの患者さんは血液中の鉄分量が不足している状態だということがわかりました。

そこで、うつやパニック障害の症状を訴えてきた患者さんに、投薬治療とともに、鉄分を補う栄養療法を行いました。すると4カ月目あたりから鉄不足が解消され、少しずつ元気を取り戻して、薬を手放すことができるように。その後、日常生活を快活に送ることができているという報告が相次いでいるのです」

そう語るのは、「ふじかわ心療内科クリニック」院長の藤川徳美先生。この鉄分を補う栄養療法により、’12年4月から、約2,000人の患者の症状を改善させたという。その臨床結果をまとめた著書『うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった』(光文社新書)が、7月に発売され、話題になっている。

藤川先生によれば、うつやパニック障害などの精神疾患と鉄不足とは、実は密接に関係しているのだという。心を安定させるときは「セロトニン」、やる気を促すときは「ノルアドレナリン」、快楽や多幸感を得るときには「ドーパミン」などの神経伝達物質が脳内に分泌される。

鉄は、これらの神経伝達物質を作る際に必要な酵素を助ける働きをしている。そのために、鉄が不足すると、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンが必要なときに作られなくなってしまい、うつやパニック障害の症状を引き起こしやすくなるという。

「一般的に、赤血球の中にある『ヘモグロビン値』が不足している状態を貧血といいます。ヘモグロビンを作る材料は鉄とタンパク質なので、鉄とタンパク質が不足すると、血液中のヘモグロビン値が低下し、酸素を体の隅々まで運んで二酸化炭素を吸収するという赤血球の役割が弱くなるのです。

そうすると、酸素不足となり、貧血が起こりやすくなります。ところが、ヘモグロビンの数値は正常でも体調不良を訴える人がいました。そこで、私は“フェリチン値”に注目しました」

フェリチンとは、体の内部に鉄を蓄えるタンパク質で、幹細胞などを中心に分布している。血液中の鉄分が不足すると、フェリチンに蓄えていた鉄分が放出されて、血液中の鉄分量を調節する。ふだん使う財布のお金を「ヘモグロビン」、貯金分を「フェリチン」とお金にたとえて考えるとわかりやすいだろう。

「ヘモグロビン値が正常でも、このフェリチン値が低下していれば、鉄の貯金が減っていることになり、気分が落ち込む、イライラする、動機やめまいがする、目覚めが悪い、冷え性である、といった症状が出ます。

ヘモグロビン値が低くなる貧血を『鉄分欠乏性貧血』というのに対して、フェリチン値が低くなることを『潜在性鉄欠乏症』といいます。健康診断の数値を見ただけでは鉄不足を見逃してしまうことも多く、この“貧血ではないのに鉄不足”の人がうつやパニック障害の人にとても多いのです」

’14年に来院した15〜50歳女性患者217人のデータによると、初診時でのフェリチン値は、10ng/ml以下が87人(40.1%)、11〜30ng/mlが79人(36.4%)、31ng/ml以上が51人(23.5%)という結果だった。フェリチン値が30ng/ml未満の患者は76.5%にのぼり、約8割の患者が鉄不足であることが判明したのである。

そこで、藤川先生も実践しているという、〈藤川流「鉄不足解消食事法」〉を紹介!