循環器内科医が警鐘! 「高血圧になりやすい人」に共通する特徴&生活習慣5つ | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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高血圧になりやすい人の共通点って?

高血圧になりやすい人の共通点って?© オトナンサー 提供

 

 健康診断などで指摘されることも多い「高血圧」。心臓や脳にかかわる重大な病気を引き起こしやすくなることで知られていますが、血圧が高くなりやすい人には、共通する特徴や生活習慣がみられるようです。

 

「高血圧になりやすい人」の共通点とは、どのようなものなのでしょうか。循環器内科専門医で、医療法人社団正恵会(東京都豊島区)理事長の藤井崇博さんに聞きました。

 

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「野菜や果物の摂取不足」も一因に

Q.そもそも「高血圧」とはどのような状態ですか。

藤井さん「人間の体を流れる血液は、人体に必要不可欠な酸素や栄養素を全身に届けるという非常に重要な役割を担っており、心臓が収縮と弛緩(しかん)をポンプのように繰り返すことで、全身に血液を届けています。

 

『血圧』は、簡単な言葉でいうと、心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力のことです。血圧は、心臓が1回の拍動で全身に送り出す血液量、血管の弾力性(しなやかさ)、血管に血液が流れ込む際の血管の抵抗力、血液の粘度といった要因によって変化します。

 

『高血圧』とは、安静時に血圧の高い状態が長く続く状態のことです。

 

クリニックや病院で測定する『診察室血圧』の正常値は、上が120mmHg(ミリメートル・エイチジー。以下、単位略)、下が80未満、自宅で測定する『家庭血圧』の正常値は、上が125、下が75未満です。最高血圧か最低血圧のどちらか、または両方が正常値を上回ると、高血圧が疑われます」

 

Q.高血圧になりやすい人にみられる特徴や生活習慣とは。

藤井さん「高血圧の原因としては肥満や過剰な飲酒、精神的ストレス、喫煙、野菜や果物の摂取不足など生活習慣に関連するものをはじめ、腎臓の異常、ホルモンの異常、内服薬で高血圧を来す2次的なものもあります。また、遺伝的に高血圧になりやすいというケースもあります。

 

なお、血圧に関して知っておくべきなのは、『血圧は常に一定ではない』ことです。血圧は、測定する時間帯や室温、季節、食事や運動といった日常生活、ストレスなど、さまざまな原因によって変動します。

 

運動して一時的に上昇した血圧が、運動後、安静にすることで自然に下がるのも、正常な血圧の変化です。つまり、運動や緊張などによって一時的に血圧が上昇したとしても、普段の血圧が正常であれば問題ないということになります」

 

【肥満】

肥満の人は全体的な食事摂取量が多く、塩分も取り過ぎる傾向にあることから、体内にナトリウムが過剰になっていると考えられます。また、肥満になるとインスリンが過剰に分泌され、腎臓でのナトリウムの再吸収が高い状態で進むため、血液中のナトリウムはさらに増加します。

 

それを薄めるために、血管内に水分が流動し、全体の血液量が増え、また交感神経系が刺激されて末梢の血管を収縮させることで、血圧が上昇するのです。

 

【過剰な飲酒】

アルコールによる高血圧の原因は明らかになっていませんが、飲酒量が多くなることによる体重の増加や、アルコールと一緒に塩分摂取も多くなること、血管の壁の損傷、交感神経の活性化による血管の収縮などが複合的に原因となっていると考えられています。

 

【精神的ストレス】

精神的ストレスを受けると、“ストレスホルモン”であるアドレナリンやコルチゾールが放出され、交感神経が活性化されます。これらのホルモンや交感神経の活性化は、心臓の拍動を強くし、血管を収縮させるため、血圧が上昇します。

 

【喫煙】

たばこに含まれるニコチンなどの化学物質が体内に吸収されると、血管が収縮するため、血圧が上昇します。

 

【野菜や果物の摂取不足】

野菜や果物には、カリウムが含まれています。カリウムには、腎臓でナトリウムの再吸収を抑え、血液中のナトリウムを尿として排せつすることを促進する働きがあるので、血圧を下げる効果が期待できます。

 

そのため、野菜や果物などの摂取量が少ないと、カリウムなどの栄養素が不足し、高血圧につながる恐れがあります。

高血圧は「重症になるまで自覚症状がない」

Q.血圧が高くなりやすい人が、高血圧にならないようにするためにはどうすればいいですか。

 

藤井さん「高血圧と診断される基準は、近年厳格化してきています。

 

最新の『高血圧ガイドライン2019』において、以前は『正常高値血圧』とみなされていた『上130〜139、下85〜89』が、『高値血圧』に新しく分類されるようになり、基準となる値も『上130〜139、下80〜89』へと、いわゆる『下』と呼ばれる拡張期血圧の基準が5mmHg引き下げられました。

 

同様に、これまでの『正常血圧』(上120〜129、下80〜84)が『正常高値血圧』(上120〜129、下80未満)へ、『至適血圧』(上120未満、下80未満)が『正常血圧』(血圧値は変わらず)へと変更されています。

 

これはさまざまな研究で、上120未満、下80未満と比較して、それ以上に血圧が上がるごとに脳心血管病の発症リスクが上昇することが分かったためです。

 

また、これまで降圧薬による治療開始の目安は、上140、下90以上の高血圧患者に限定されていましたが、『高血圧ガイドライン2019』では正常高値血圧(上120〜129、下80未満)に対しても、生活習慣指導で十分な降圧がみられない場合、降圧薬の開始が推奨されるようになっています。

 

降圧目標値についても、若年・中年・前期高齢者(75歳未満)が『上140、下90未満→上130、下80未満』に、後期高齢者(75歳以上)が『上150、下90未満→上140、下90未満』へと引き下げられるなど、見直しがなされました。

 

高血圧の状態が長く続くと、心臓や血管に負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞、心不全といった重篤な病気を引き起こす恐れがあります。し

 

かし、高血圧は重症になるまで自覚症状がないため、血圧計で測定しない限り、自分の血圧が正常かどうかを知ることは難しいです。自覚症状がないまま長い年月が経過し、気付いたときには病状が深刻化していた…というケースが少なくありません。

 

高血圧の原因としては、先述したように生活習慣に関連するものが多くあり、これらに心当たりがある場合は見直しを行う必要があるでしょう。血圧は、体の状態を表す大切な指標であり、健康のバロメーターになるものなので、ぜひ血圧測定の習慣をつけることをお勧めします」

オトナンサー編集部