〈目からウロコの健康術〉放置すると重症化する恐れが!? 油断できない夏の「冷え症 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

まだ梅雨は明けないが、これから夏本番を迎えるこの時期、「なぜか咳が続き、治まらない」「風邪をこじらせてしまったのか」といった声があちらこちらで聞かれる。ある専門家は「今年は高温・多湿型の梅雨で長い。夏に暴れるウイルスの発生が早く、もう暴れ始めているんだと思います」と語る。

もともとウイルスを退治する薬がないため、騒ぎが大きくなるのだ。その上、原因が風邪の病原体となると、8~9割はウイルスの仕業と判断される。そして、治療しようと病院に行くと、主に抗生物質が処方される。しかし、ウイルスにはそれ自体に増殖力がなく、気道や鼻腔の粘膜の細胞の力を借りて増える。

「ですから抗生物質の効力というのは薄く、普通は放っておいても最長2時間程度で症状が収まってしまいます」(専門家)

本来、風邪症状を治す目的だと抗生物質はほとんど意味をなさない。むしろ自分で持っている免疫力を高め、ウイルスが排除されるのを待つしかない。もちろん、その間は安静を保ち、栄養と水分を補給しながら、体調を崩さないよう無理をしないことが大切だ。

東京都内で医療総合クリニックを営む久富茂樹院長はこう語る。
「一般的な療法を行った上で、気道に症状があれば、咳などを止める薬(鎮咳去痰薬)とか発熱には解熱薬などを内服する。

 

人それぞれ薬に必要、不必要があるので、その判別は医師にしてもらうといいでしょう。ただ厄介なのは、暑さと湿気を好むウイルスが大暴れするのが、睡眠不足や疲れから免疫力が下がるこの時期からなのです。結果的には風邪を引きやすく、治りにくくなる。このことは複数の研究機関での調査でも明らかになっています。

 

また、クーラーなどで室内と室外の気温差・湿度差が大きいと、身体を調整する神経でもある自律神経が乱れ、体温調節ができなくなり、免疫力が低下する。風邪になりやすくなり、これが喘息などにつながるのです」

世界保健機構(WHO)と世界気象機関(WMO)が、共同で’14年に作成した公衆衛生と気象に関する最新の発表報告によると、世界で喘息の患者は2億人を超え、増加の一途をたどっているという。

東京労災病院内科・呼吸器担当・酒井伸顕医師はこう説明する。
「地球の温暖化の一因とされるフロンガスや化学物質などの影響を、報告書では示しています。それに加え、中国から流れ込む汚染された空気やインフルエンザにも注意が必要です。また、日本でも地球温暖化の影響を様々な形で受けていますが、大気汚染物質やタバコの他に花粉や家ダニなど、我々の生活圏で発症する原因なども多く指摘されています。いずれにしても喘息症状は手当てが遅れると、狭心症や脳梗塞にもつながることが分かっており、軽く考えないでいただきたいですね」

また、酒井医師は自らの患者を例に、次のように説明を付け加える。
「私のところに、ある56歳の男性患者さんが受診しました。咳が止まらず、息切れがすると言って訪れたのですが、生活環境などを詳しく聞いたところ、ご自宅の目の前を交通量の多い国道が走っていた。

 

調べると1秒間に吐ける空気の量は、通常の40%にもみたないものでした。高齢者のみなさんは、特に咳とともに息切れを訴えて受診します。そこで肺活量や肺機能も検査しますと、肺の奥の細い気管がやられ、炎症を起こしていることが多い。今回、訪れた男性患者さんも同じ状況でした。

 

高齢者の場合、喘息は真っ先に心不全が疑われる怖い病気で、風邪をきっかけに発症するケースも多い。こうした症状は、適切な治療をせずに発作を繰り返すと、気管支の炎症部分が厚くなり、回復しづらくなります」

★“長引く咳”に要注意!

ある医療機関の統計によれば、日本の喘息による死亡者は、ステロイドなどの普及によって、’95年の約7000人のピーク時から徐々に減ってきてはいるが、今も年間1000人~2000人の方が死亡している。決して安心できない病気であり、放置は厳禁であることを肝に銘じておかなければならない。

咳と風邪の関係ではないが、もう1つ厄介なものがある。それは“長引く咳”である。くしゃみや鼻水に散々やられたが、それが収まったと思ったら咳だけが残った…。中には、そんな状態が2週間以上も続いてしまう場合がある。

この症状に陥ると、たいていは「しつこい風邪」と思い込む人が多い。しかし、前出の久富院長はこう警鐘を鳴らす。


 「風邪だけで、そこまで長引くことはありません。つまり、風邪をきっかけにして別な疾患を発症している可能性もあります。7月に入ると、その手の患者さんが増えます。そこで、よく調査をすると咳喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)であることが分かります」

喘息は気道の粘膜に炎症が起こって敏感になり、ちょっとした刺激にも反応して、咳が止まらなくなる疾患でもあるのだ。

“ちょっとした刺激”というのは、冷たい空気、線香の煙、ラーメンの湯気なども上げられる。その咳は、一度出始めると暫く会話ができないほど止まらない。また、夜間や明け方に出やすく、そんな経験をお持ちの人はきっと多いはず。

さらにこんな現象もある。
「鼻水が垂れ、それが咽頭部分を刺激し、咳につながったり、鼻水がなくなっても咳が残り長引く。半数以上は咳喘息という印象だが、放置するようなことがあれば3割は気管支喘息に移行し、最悪は死に至る場合もある」(久富院長)

米ノースウエル・ヘルスプレインビュー病院の観察的研究から、専門家は次のように語る。
「あまり認識されていませんが、喘息にはいくつかの種類があり、それぞれに固有の特徴がある。患者を14年間追跡した結果、100人以上が成人後に喘息と診断されており(遅発性喘息)、約50人が小児期に喘息の診断を受けている。この遅発性喘息は様々な因子(大気汚染など)に起因するものが多く、肺機能が急速に低下します」

最後に、料理研究家の林康子氏が対策として次のようにアドバイスしてくれた。
「作り方は赤ワイン20㎖にショウガ汁3~4滴入れるだけ。風邪の引きはじめには抜群の効能があります。体外から侵入する病原体と戦う免疫細胞を活発にする食物のキムチもお薦め。質の高い栄養素です」