環境、家族の既往歴、年齢など、寿命に影響を与えうる要因は様々だが、食事と寿命の間に非常に強い関連性があることを裏付ける研究は数多くある。
「果物や野菜には、心臓病や脳卒中、一部のがん、慢性呼吸器疾患、糖尿病、肥満のリスクを軽減する化合物が含まれており、健康の専門家たちが食べるように推奨している理由の一つでもあります」と、『
Eating in Color』の著者であり登録栄養士のフランシス・ラージマン=ロス氏は述べている。
実は他にも、病気を予防し、体に栄養を与えてくれる食材がある。健康的に長生きするために食事に取り入れたい食材リストをここでチェックしてみよう。
卵
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卵はコレステロールが高い一方で、飽和脂肪のように血中コレステロール全体に影響を与えることはないことが研究で示されている。
実際に『Journal of the American College of Nutrition』で発表されたメタアナリシスのひとつでは、卵の摂取量が多い人(週に約7個)は、少ない人(週に2個以下)の人と比較して、脳卒中のリスクが12%低いことが明らかに。
豆類
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豆(そら豆やいんげん豆、大豆など)、えんどう豆、レンズ豆、ピーナッツ、ひよこ豆は、血糖値を安定させ、食欲抑制の作用もある食物繊維と植物由来のタンパク質が豊富な優れた食材。
また、健康的なマイクロバイオームの繁殖にも役立つそう。
「健康な腸内のマイクロバイオームは、炎症を抑え、血中脂質(コレステロール)を低下させ、免疫機能の調節に役立つことで知られています」と説明しているのは、「Asbestos.com」の中皮腫センターの栄養士であるスザンヌ・ディクソン氏。
彼女は、毎週少なくとも5食分の食事に豆類を取り入れることを推奨している。
葉菜類
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ほうれん草、ケール、スイスチャードなどの緑の葉物野菜には、細胞の成長と赤血球の形成に不可欠な葉酸がぎっしりと詰まっている。
また、視力、骨、歯、皮膚の健康維持を助けるカロテン(抗酸化剤として機能する色素)も含まれている。 「自然の植物から得る葉酸は、加齢による脳機能の低下の予防に役立つとされています」とディクソン氏。
一方で、「カロテンは抗酸化物質を増やすことで、DNAや細胞のダメージを防いでくれます」と続けており、「このダメージは時間の経過とともに蓄積され、がんや心臓病の一因となる可能性があります」とのこと。
サプリメントでも摂取可能だが、葉酸サプリメントを服用すると、特定のがん(特に結腸がん)のリスクが高まるため、なるべく食材そのものから摂るべきだとディクソン氏は述べている。
アブラナ科野菜
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ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、大根などのアブラナ科の野菜は、体の自然なデトックス機能をサポートしてくれる。
「私たちは、細胞内(特に肝臓)に“デトックス”酵素またはデトックス機能を持っています。これらの酵素の活性は、アブラナ科の野菜にのみ見られる特定の物質によって支えられているのです」とディクソン氏。
さらに、アブラナ科の野菜はエストロゲンのレベルを健康に保ち、乳房、卵巣、子宮内膜などのホルモン関連のがんを防ぐことに役立つため、女性にとっては嬉しい食材。
ディクソン氏は、少なくとも週に5回ほど、食事にアブラナ科の野菜を取り入れることを提案している。