メタボとは無縁だった4人から学ぶべきことがある【ビートルズの食生活から学ぶ健康】 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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【ビートルズの食生活から学ぶ健康】

私は現在、胃・十二指腸内視鏡検査や大腸内視鏡検査を主体とする消化器内科医として医療に従事していますが、ポップミュージックのファンでもあり、40年以上前から、医療の仕事とは別に、ビートルズをはじめとしたさまざまな音楽やライブに親しんできました。

趣味が高じて、「POP HEALING MUSIC~ポップスでリラクゼーション」(監修・きたやまおさむ 音楽之友社)、

 

「ビートルズでおなかスッキリ」(法研)などの音楽関連書籍まで上梓。とくに後者の本を書いているとき、メンバー4人の若い頃から現在までの日常生活・食生活に興味を持つことになりました。

残念ながら、ジョン・レノンは1980年に銃弾に倒れ、ジョージ・ハリスンは2001年にがんで亡くなりました。

しかし、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターはいまだに現役のミュージシャンとしてライブを続け、ポールなどはそのアクティブなステージから、とても70代後半の老人とは思えません。彼ら4人に共通していたこと、それはメタボリック症候群とは無縁であったことでした。

翻って日本の現状を見てみましょう。厚労省がまとめた2019年の「国・地域別の平均寿命」によると、男性の長寿第1位が香港(82・34歳)、第2位がスイス(81・7歳)、第3位が日本(81・41歳)、第4位がシンガポール(81・4歳)、第5位がスウェーデン(81・34歳)です。

女性では第1位がやはり香港(88・13歳)、第2位が日本(87・45歳)、第3位がスペイン(86・2歳)、第4位がシンガポール、韓国(85・7歳)という結果でした。日本は、男女ともベスト3入りということになり、この先「人生100年」がいよいよ現実のものとなりそうな状況になってきました。

平均寿命の順位と年齢だけに目を奪われがちですが、実は現状はそんなに楽観視できるものではありません。私が医科大学を卒業した1980年当時は、胃や十二指腸を中心とする上部消化管の病気が主体で、小腸・大腸を中心とする下部消化管の病気はさほど多くありませんでした。

ところが、ここ40年ほどの間に、病気の質が大きく変わり、胃や十二指腸の病気(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなど)は減少傾向となり、小腸や大腸の病気(大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群、慢性便秘症)は、増加の一途をたどっています。

とくに大腸がんは現在、国内の病死の中で女性第1位、男性第3位、難治性炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎は22万人超、クローン病7万人超という状況です。

 

慢性便秘症も70歳以上になると、男性も女性と同程度の人が罹患しています。アンチエイジングが騒がれている時代ですが、「健康長寿」で人生を全うすることは決して容易ではないことを物語っています。

さて、日本人のそんな現状に反して、ビートルズは、なぜ死ぬまでメタボとは無縁だったのか。高齢のポールがなぜハードなライブを続けていられるのか。私は臨床医として、ビートルズから学べることが数多くあることに気づきました。

次回からはビートルズの4人のメンバーの食生活を例に挙げながら、メタボとは無縁の秘訣をお伝えしていきたいと思います。ビートルズはまだまだ生き続けているのです。