医師が健康診断の「腫瘍マーカー」をオススメしない5つの理由 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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■誤解されている! 「腫瘍マーカー」

 腫瘍マーカー検査といえば、「血液検査で簡単にがんの可能性がわかる」といううたい文句で、健康診断のオプションとして行われていることも多いようです。しかし、多くの医師が健康診断での腫瘍マーカー検査は推奨していないという事実はあまり知られていません。

 医師が「腫瘍マーカー」を推奨しない理由を解説します。

■理由1:「偽陰性」……早期がんでは上昇しない

 ほとんどの腫瘍マーカーは早期がんでは上昇しません。逆に進行がんでも上昇しないこともあるので注意が必要です。通

常よく用いられるのは、「抗がん剤治療や放射線治療での効果判定」や「腫瘍マーカーの高いがんの術後の経過観察」を目的とした場合です。

 例外的に、肝がんリスクが高い肝炎ウイルス陽性の方には、臓器特異性が高いAFPやPIVKA-IIといった腫瘍マーカーを用いて肝がんの有無を確認することはあります。

しかし、健康診断で有効といえる腫瘍マーカーはほぼ皆無で、あるとすれば、前立腺がんのPSA測定ぐらいといえるでしょう。

■理由2:「疑陽性」……がん以外の良性の疾患でも上昇する

 腫瘍マーカーはがん以外の原因でも上昇することがあります。例えば、大腸がんや肺がんなどで上昇するとされるCEAは、高齢者や喫煙、糖尿病、慢性肝炎などでも上昇することがあります。

 膵がん、大腸がんなどで上昇するCA19-9は、胆管炎を併発した場合や急性・慢性膵炎、胃炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、子宮内膜症や卵巣嚢腫などの良性婦人科疾患、気管支炎、気管支嚢胞、肺結核、10~20代の女性や妊婦、糖尿病などでも上昇することがあります。

 腫瘍マーカーとは、がん細胞またはがんに対するからだの反応によって作られ、血液や尿、組織などで増加している物質のことです。しかし、がん細胞だけでなく、正常細胞でもつくられますので、健常な人の体内にもわずかに存在します。

悪性腫瘍だけでなく、良性の疾患でも上昇することがあるのです。

■理由3:「検査漬け」……腫瘍マーカーが関与する臓器は多種多様

 例えば、よく用いられる腫瘍マーカーのCEAを例にとると、CEAが上昇するときに考えられるがんには、大腸がん、膵がん、胆管がん、肺がん、食道がん、胃がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、泌尿器がんがあります。

 調べていくには、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、上部消化管内視鏡検査、大腸内視鏡検査、CT検査とほぼフルコースで検査をしなければなりません。

そして、「検査はひと通りしましたが、明らかながんはありませんでした」と医師から告げられることも少なくはないのです。

■理由4:「がんの恐怖」……見えないがんの恐怖におびえる日々

 全身の検査を受けても異常なし。「疑陽性」の可能性が高いけど、「もしかしたら」という気持ちをぬぐいきれない受診者も少なくはありません。「がんが隠れているかもしれないから定期的に検査をしてほしい」と数カ月ごとに検査を希望される方もいます。

腫瘍マーカーを測定したがために、がんにおびえる不安な日々を送らざるを得ない人も存在します。

■理由5:「おいしいのは医療機関」……一回の検査で二度おいしい

 腫瘍マーカーは、病気以外で測定すると自費です。けっして安い検査ではありません。そして、異常値が出た場合は再度受診して、全身をくまなく検査させられ、高い医療費を払わないといけないはめになります。

 腫瘍マーカーが上昇してがんが見つかることもありますが、多くはすでに進行がんです。健康診断での腫瘍マーカー測定は、高い検査費用に対して効果はあまり望めません。

健康診断でオプションの腫瘍マーカーを付けるぐらいなら、直接観察できる「内視鏡検査」や「超音波検査」など他の検査を追加した方がいいでしょう。