身体醜形障害に苦しむセレブたち

身体醜形障害に苦しむセレブたち©Getty Images

私たちの多くは、自分の外見に不安を抱いている。上半身が太いとか、鼻が曲がっているとか、自分の"欠点"に気づくのはまったく普通のことである。

身体醜形障害を患う人は、自分の欠点に強いこだわりを持ち、自分自身を全体として見ることができない。鏡を見ても自分の欠点しか見えず、他人も同じように欠点しか見ていないと思い込んでいる。

この障害は、不安やうつ病を引き起こし、深刻な影響を与える可能性がある。21世紀に入り、精神疾患の汚名は薄れつつあるが、外見やボディイメージをめぐる問題はかつてないほど広がっている。

このギャラリーでは、身体醜形障害についてより深く理解するために、また身体醜形障害とともに生きる人々の声を聞くために、ご覧ください。

身体醜形障害©Shutterstock

"身体醜形"という言葉がよく使われる。インスタグラムやTikTokの台頭により、ボディ・イメージに関する悩みは著しく増加しており、他人と自分を比較することを我慢することが難しくなっている。多くの人がこのような葛藤を経験しているが、身体醜形障害はこのような感情を極端に増幅させる深刻な精神障害である。

身体醜形障害（BDD）について©Shutterstock

身体醜形障害（BDD）は、強迫性障害と同じカテゴリーに属する不安障害である。BDDの患者は、毎日何時間も自分の外見にこだわり、常に悲観的な考えに悩まされる。

特定の欠点への固執©Shutterstock

BDDの患者は通常、特定の欠点に固執し、しばしば頭の中で思い巡らす。その欠点は存在しない、あるいは取るに足らないものだと断言する愛する人の安心にも、彼らは納得しないままである。変身を求めるあまり、整形手術を受けたり、監視の目を逃れるために社会的交流から引きこもったりといった思い切った手段に訴えることもある。

身体醜形と自信の欠如©iStock

BDDは、生活の質や機能能力に大きな影響を与えるため、他の不安とは一線を画している。

重度の精神障害©Shutterstock

BDDのある人は、しばしば大きな精神的苦痛を経験し、不安や抑うつと闘うこともある。

共通の不安©Shutterstock

BDDはしばしば顔に注意を向け、多くの人がそばかす、ほくろ、にきび、傷、顔の毛を気にする。ひどい場合は、これらの欠点を目立たなくしようとして、爪やピンセットで顔をほじる癖がつくこともある。

共通の不安©Shutterstock

頭髪や体毛、バストや性器の形、筋肉の大きさ、お腹の脂肪などは、人がこだわることのある一般的な部位のひとつである。摂食障害で体重が極端に少ない人でも、腹の脂肪が多いと思い込んでいることがある。

BDD症状の特定©Shutterstock

この障害のある人はさまざまな行動をとるが、その多くは一般的でよくみられるものである。とはいえ、これらの行動の頻度と強度が標準と異なる。

典型的な行動©Shutterstock

BDDの人は、鏡に映ることを避けたり、写真を撮られることを嫌がったりする。自分の不完全さを隠すために、化粧を濃くしたり、帽子やスカーフなどのアクセサリーで隠そうとする人も多い。頻繁に服装を変えたり、過剰な身だしなみを整えたりするのも一般的な行動である。

典型的な行動©Shutterstock

過度な運動や筋肉増強など、外見を変えようとする行動をとるかもしれない。特に皮膚科に頻繁に通う人もいる。整形手術を目標とすることも多いが、通常、整形手術を行っても満足のいく結果は得られない。

安心感を求める©Shutterstock

BDDの人は、しばしば自分の外見について他者から認めてもらおうとし、自分が認識している欠点についてたびたび質問する。これらの欠点は過度に目立ち、誰の目にも明らかであるという信念を持っている。

BDDの診断©Shutterstock

BDDの人は、自分のこだわりを隠すことが多く、それが誤診につながることもある。不安や抑うつを抱える人が、先に述べたような症状や行動を示した場合、医師やセラピストに正直に伝えることが極めて重要である。身体イメージに関する悩みは広く蔓延しており、それが過度なものになったときに気づくのは難しいかもしれない。

治療©iStock

BDD患者には、充実した楽しい人生を送るための効果的な治療法がある。認知行動療法は、患者が不合理な考えを特定し、それを建設的な考えに置き換えるのを助ける。さらに、症状を緩和するために抗うつ薬が処方されることもある。

どのような人がBDDになるのか？©Shutterstock

摂食障害とは異なり、身体醜形障害は男女がほぼ同じように罹患する。アメリカでは、男性の2.5％、女性の2.2％がこの障害に苦しんでいると推定されている。思春期や10代の若者に多く、12～13歳頃に発症することが多い。

スポットライトを避けるBDDとの闘い©Getty Images

ボディ・イメージに関する一般的な問題は、ソーシャルメディアやセレブ文化に起因することが多い。私たちがよく比較対象とする完璧な体型のセレブたちが、BDDに苦しむはずがないと思うかもしれない。しかし、それは真実ではない。どんな魅力的なセレブたちがBDDとの闘いを語っているのか見てみよう。

キム・カーダシアン©Getty Images

リアリティ番組『キーピング・アップ・ウィズ・ザ・カーダシアン』のエピソードで、キム・カーダシアンの身体醜形症との闘いが明らかになった。番組では、彼女が2017年のメット・ガラに向かう途中でパニック発作を起こした苦悩の瞬間が描かれた。この出来事は、ビキニ姿のパパラッチ写真がメディアに出回った後、彼女が直面した激しい詮索と批判に続くものだった。

ユマ・サーマン©Getty Images

ユマ・サーマンは1998年に第一子を出産した後、BDDを経験したことを明かした。それ以来、彼女は自分を"太っている"とみなし、自己認識について大いに悩んだ。

マイリー・サイラス©Getty Images

マイリー・サイラスは『ハンナ・モンタナ』出演中、撮影のために常に美しく見せなければならなかったため、身体醜形障害を経験したことを明かした。しかし、番組が終了したとき、それは彼女にとって個人的な混乱を引き起こした。

ジャミーラ・ジャミル©Getty Images

その美貌で知られるジャミーラ・ジャミルは、10代の頃に身体醜形症と摂食障害に直面した。クラス全員の前で体重を測られ、精神的な苦痛を味わったのだ。今でも彼女は身体醜形障害と闘い続け、アイラインを引くときと落とすときだけ鏡をちらっと見る。これは、彼女が自分の外見に過度に執着し、そのことで頭がいっぱいになるのを防ぐためである。

サラ・ミシェル・ゲラー©Getty Images

サラ・ミシェル・ゲラーは以前、身体醜形症との闘いを明かしている。ゲラーは自分の人間性と母親としての役割を認めており、親になったことで自分の外見に対する執着がいくらか減ったと述べている。

ジャスティン・バルドーニ©Getty Images

『ジェーン・ザ・ヴァージン』で知られるジャスティン・バルドーニが、身体醜形の一種である筋肉異形との闘いを明かした。痩せ型の子どもだったため、体格に対する不安は大人になっても続いていた。彼の努力にもかかわらず、バルドーニは、強さ、筋肉、サイズが不足していると感じ続けている。

ヘイデン・パネッティーア©Getty Images

ヘイデン・パネッティーアは、インターネット上で自分の外見に関する辛辣なコメントに遭遇した結果、身体醜形症となった。この女優は、「美は意見であり、事実ではない」と認めることで慰めを見出している。

ラナ・コンドル©Getty Images

Netflixの人気映画『To All the Boys I've Loved Before』の若手女優が、摂食障害と身体醜形障害の経験をオープンに語った。エル・カナダとのインタビューで、彼女は食に感謝する方法として、食事をオンラインで共有する現在の習慣について言及した。

アマンドラ・ステンバーグ©Getty Images

若手女優のアマンドラ・ステンバーグもまた、若くして自分の体を客観視され、体重を落とすように言われたことで、ボディイメージの問題に直面した。身体にまつわる不安と向き合うため、ステンバーグは鏡の前に立ち、自分の姿と心のこもった会話をすることを選んだ。

リリ・ラインハート©Getty Images

リリ・ラインハートが、BDDとの闘いについて率直に語った。『リバーデイル』のヒロインは、以前は頻繁に鏡を見つめていたことを明かし、鏡を見るたびに何か違うことに気づいていた。

ホリー・マディソン©Getty Images

プレイボーイ・マンションに住み、ヒュー・ヘフナーの "No.1ガール "となった元プレイボーイ・バニーでタレントのホリー・マディソンは、ヘフナーとの関係を一種のストックホルム症候群の結果だと語っている。そこで過ごした時間は、彼女のボディ・イメージの苦悩にとって相応しくない環境だった。マディソンは個人的なTikTokビデオで、自分の写真を見るのが怖くなり、いつも痩せる必要があると思い込み、ひどい顔になっていたと話している。彼女は象徴的なバニースーツを着た自分のある写真に出会い、その時の考えを思い出した。「最低でも5キロは痩せなきゃ」現在の健康的なマディソンは、それがまったくとんでもないことだったと認めている。「私は棒みたいだったわ」

ミーガン・フォックス©Getty Images

今年の『スポーツ・イラストレイテッド・スイムスーツ・イシュー』にモデルとして登場したミーガン・フォックスが、ボディ・イメージに関する悩みを公然と告白した。その成功にもかかわらず、彼女は「私は身体醜形症なの。他の人が見ているような自分を見たことがないの」「私の人生で、自分の体が好きだった時期なんて一度もないの。一度もね」と話した。

ミーガン・フォックス©Getty Images

雑誌の表紙を飾ることはスリリングなことだが、彼女の一番の望みは、人々が彼女の外見以上の何かに注目してくれることだ。「私は虹色のオーラを持っていて、それは特別なものだから」さらに彼女は、「自分を愛する旅は終わりがないと思うわ」と付け加えた。

ミーガン・フォックス©Getty Images

フォックスは最近、ボーイフレンドのマシン・ガン・ケリーとのコラボ・インタビュー（英『GQスタイル』誌）でこう語っている。「私たちは誰かを見て、『あの人はとても美しい。その人の人生は楽なんだろうな』って。彼らは自分自身についてそう感じていないことがほとんどでしょう」

フォックスは、自身の身体醜形についての追加情報を提供しなかったが、『People』誌によると、彼女は以前、特に2009年の『ジェニファーズ・ボディ』のリリース後に、他の精神衛生上の懸念について語ったことがある。彼女は、エンターテインメント業界やコラボレーション相手から客観視されることへの不快感を表明した。

ビリー・エイリッシュはわずか14歳で有名になり、常に世間の注目を浴びながら生きてきた。長年にわたり、彼女の外見や個人的なファッションのチョイスに手を加えるたびに、大々的な詮索や非難に直面してきた。20代になった今、彼女は自分の体を受け入れるための厳しい道のりを勇敢にも語っている。

エイリッシュは13歳の時に股関節を痛め、ダンスができなくなった。その後、下半身の怪我が続き、最終的に運動機能亢進症と診断された。肉体的な制限と長引く痛みにかなりの期間耐えたことで、彼女は自分の身体に対する怒りの感情を抱くようになった。

「自己嫌悪に陥った10代の頃、その多くは自分の身体に対する怒りからきていて、自分の身体に起こった出来事のせいで、どれだけの痛みを引き起こし、どれだけのものを失ったのか、どれほど腹が立ったことか」と、エイリッシュは2023年1月のインタビューで『ヴォーグ』誌に語っている。

クロエ・グレース・モレッツが最近、『Hunger』誌のインタビューで、身体醜形症との闘いを語った。彼女の症状は、「おぞましいインターネットミームの猛攻撃」にさらされ続けたことがきっかけだったと説明した。モレッツは特に、ピザの箱を持っている自分の写真を加工し、アニメ番組『ファミリー・ガイ』のキャラクターに似た歪んだ姿に変身させられたことに言及した。

「みんな私の体のことをバカにしていて、それを誰かに話したら、『面白いね』って言われたの」「そして、私はただそこに座って、私の体はジョークに使われていて、私が私であることは変えられないし、それがインスタグラムに投稿されまくっているんだ......って思ったのを覚えているわ」とモレッツは付け加えた。そして今日に至るまで、「そのミームを見つけると、それを克服するのがとても難しくなるの」。

12歳で『キックアス』に出演して一躍有名になった女優によると、「身体醜形症はソーシャルメディアによって悪化する」と話す。彼女は、バイラル・ソーシャルメディアの反発により「基本的に引きこもりになった」と述べ、写真を撮られると「ひどく不安になる」と語った。「身体醜形障害は、この世界で誰もが抱えているものですが、ソーシャルメディアの問題によって拡大解釈されているのだと思います」

ロバート・パティンソンは、男性のボディ・イメージと身体醜形障害の経験について率直に語っている。彼はレッドカーペットのイベントの前に不安がピークに達し、大きな苦痛を引き起こすことを認めている。

専門家によると、マイケル・ジャクソンは極度のBDDを経験していたと考えられている。生涯を通じて、キング・オブ・ポップは30回以上の整形手術を受け、容姿を大きく変えた。化粧をしないで人前に出ることはめったになかった。

サム・スミスは最近、『サンデー・タイムズ』紙に、世間から詮索される体重との個人的な闘いについて打ち明けた。しかし、彼はありがたいことに、身体醜形症を克服することができた。「私の業界では、"ポップ・スターはどうあるべきか？"という疑問があるのは確かだ」と彼らは同誌に語り、自分は決して "標準 "には当てはまらないと付け加えた。

「25歳のとき、ツアーから疲れて帰ってきた。私はボディの世界のロールモデルに目を向けた。プールに行くたびに自意識過剰になったけど、無理やり上半身裸になったわ」「その甲斐あって、今では身体醜形症とは真逆の体型になったわ。見た目は最高よ。やっと日焼けした。今まで焼けたことのないところが焼けたわ」。2019年5月にノンバイナリーであることを公言したシンガーは、現在、外見よりも音楽を優先しているが、4枚目のスタジオ・アルバム『グローリア』のジャケットでスミスが自信満々に上半身裸でポーズをとっているように、両方の面が称賛されている。

BDDの友人や家族がいる場合、あなたがサポートできる方法がある。彼らに専門家の支援を求めるように勧めることである。しかし、彼らはまだ準備ができていない場合もあるので、忍耐と理解をもって接すること。彼らの経験を完全に理解できなくても、感情を表現できる安全で受け入れやすい環境を提供しよう。

個人的な不安について話して同情を買うのは、一般的に非生産的である。それよりも、外見に関する否定的な言説から会話を遠ざけるようにしましょう。友人や恋人が自己改善に向けて小さな一歩を踏み出したら、その進歩を認めて祝福することが大切である。

出典 (ADAA) （マインド）（ティーン・ヴォーグ）（E！）（グラマー）（マクホック）（リカバリー・ビレッジ）

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身体醜形障害に苦しむセレブたち