実は「超朝型」も健康にはよくない…心筋梗塞やインフルエンザのリスクが上がる「恐ろしい理由」 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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実は「超朝型」も健康にはよくない…心筋梗塞やインフルエンザのリスクが上がる「恐ろしい理由」

朝型人間は勤勉で、夜型人間は独創性が高い—―社会でよく言われる以上に、この両者の違いは人間の心身に大きな影響を及ぼしている。

 

前編記事『日本人の3人に1人「夜型人間」が抱えている「健康リスク」…実は心不全、脳卒中、うつ病になりやすいワケ』に引き続き、最新研究の知見に基づいてその差異を解き明かしていこう。

早起きも度を越すと

夜型の暮らしが続くと太りやすいとも言われる。早稲田大学名誉教授の柴田重信氏が、その理由を解説する。

 

「夜は食欲を増進するドーパミンが分泌されやすく、つい朝よりも食べ過ぎてしまう傾向にあります。また食べ物を消化吸収するのには約3時間かかりますが、

 

夜型だとその前に寝ている人も多い。睡眠中に摂取カロリーを消費しきれず、余った分は脂肪として体内に蓄積されます」

こういった生活スタイルが、やがて重篤な疾患へとつながっていく。

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「夜型人間は夕食でカロリーを摂りすぎることが多く、朝型よりも2型糖尿病にかかりやすくなります。また血中の中性脂肪濃度も高まるため、脂質異常症の方も少なくありません」

 

(自治医科大学名誉教授の藤村昭夫氏)

くわえて夜型人間は、薬の副作用のリスクも高い可能性がある。大規模調査によって朝型よりも夜型のほうが乳がんを発症しやすいと判明しているが、同時に抗がん剤の副作用にも差が生じていたのだ。

 

「乳がんの治療薬ドセタキセルを投与したところ、夜型のほうが末梢神経障害の副作用が起こる頻度が高かった。

 

生活リズムが乱れやすいことが関係していると考えられますが、研究が進めばほかの薬でも効果や副作用に差が見つかるかもしれません」(同前)

 

は猶、及ばざるが如し—―21時に眠って夜中3時に目が覚めてしまうような、言ってみれば「超朝型」の暮らしは、体に悪影響をもたらしかねない。

 

「超朝型の人は夕食を取ってから寝るまでの時間が短く、消化し終わる前に眠ってしまう。

 

そのため血圧と血中コレステロールの数値が上がりやすく、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まります。

 

またマウスを用いた実験によって、早朝にインフルエンザに感染すると肺の炎症が重篤化しやすく、死亡率も高まるとわかっています。

 

朝早くから起きて活動する人は、感染症にも注意すべきです」(前出の柴田氏)

 

夜型と同じく、超朝型もメンタルヘルスの問題と無関係ではいられない。「実際に超朝型で悩んでいる高齢者は少なくありません。過去には、夕方に寝て深夜に起きる極端な朝型生活をしている方を診察したことがありますが、表面的には健康に見えるものの、

 

家族と生活時間がズレていて本人は深く悩んでいましたね。そのような暮らしが続けば、精神面での不調につながる可能性もあります」(精神科医で早稲田大学教授の西多昌規氏)

「早寝早起き朝ごはん」

夜型も超朝型も、ともに心身への負担は大きい。ではいったい、どのような暮らしが望ましいのだろうか。

 

「そもそもヒトは日の出とともに目覚めて、日の入りで眠りにつく生き物でした。それにならって、『早寝早起き朝ごはん』を実行し朝型の暮らしになるのが最善です」(前出の藤村氏)

 

夜型や超朝型の人はまだしも、朝型人間は「何を今さら」と思うかもしれない。しかしちょっとしたコツを実践するだけで、これまでの朝型生活はさらに健康的になる。

 

「人間は目覚めてから、太陽光を浴びることで体内時計を調整しています。起床したら新聞を取りに行くついでに近所を一周するなどして、意識的に日光を浴びましょう。

 

寝室に大きな窓があれば、カーテンを開けて寝るだけでも光が差して効果が期待できます」(山口大学教授の明石真氏)

 

朝食のメニューを少し変えるだけでも、一日の始まりは快適になる。「糖質やタンパク質、食物繊維は体内時計を整える作用があります。おすすめは卵かけご飯や鮭おにぎりなど、糖とタンパクを一緒に摂れる食事。

 

そこにごぼうや玉ねぎが入った豚汁を添えれば、食物繊維も摂取できて完璧です」(前出の柴田氏)寝る前の習慣を少し変えても、朝型の暮らしにより近づけるだろう。

 

「なかなか眠れない一因は、スマホなどが発する青色の光。LED照明を使っている人は、暖色の光に変えると影響を軽減できるはずです。

 

また運動するならば、夕方までに済ませておくのが無難でしょう。夜型の人が夜に激しく運動すると、かえって目が覚めて不眠につながりかねません。

 

逆に超朝型で悩んでいる人は夜に映画を見るなどして、眠る時間を少し後ろ倒しにするのがいいかもしれません」(前出の明石氏)体のリズムと向き合い少し工夫すれば、もっと健康的に暮らせるはずだ。

 

「週刊現代」2024年2月3・10日合併号より

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