原点に戻って、「石油ストーブ」がガスや電気よりも安くて熱効率がいいって本当?© ファイナンシャルフィールド
石油ストーブ
石油ストーブは速暖性があり、寒冷地で特に有用な暖房器具です。部屋全体を暖めることができて、非常に暖かいうえに電気代もかかりません。石油ストーブの天板に鍋ややかんを置いて、料理やお湯を沸かすことも可能です。
灯油の調達や補充には手間がかかりますが、依然として人気があります。本項では、石油ストーブのメリット・デメリットや費用について見ていきましょう。
メリット・デメリット
石油ストーブのメリットは、以下のとおりです。
●非常に暖かい
●電気代がかからない__
石油ストーブは部屋全体を迅速に暖めて、体の芯からぽかぽかになります。また灯油を使用するため、電気代がかかりません。一方で、石油ストーブのデメリットは、次のとおりです。
●灯油の補充が必要
●定期的な換気が必要__
石油ストーブを利用するには、灯油の購入と補充が必要です。また、一酸化炭素中毒のリスクをおさえるためには、定期的な換気が不可欠です。
費用
石油ストーブは安いもので、1〜2万円程度で購入できます。経済産業省資源エネルギー庁の「石油製品価格調査」によると、1Lあたりの灯油の店頭価格の全国平均は116.6円です。
※調査日2023年12月18日
燃料消費量が0.218L/hの石油ストーブを1日7時間使用した場合の灯油料金は、約178円になります。
ガスストーブ
ガスストーブは、ガスの燃焼によって空気を暖めます。このため、石油ストーブとは異なり、灯油を使用しません。体の芯までぽかぽかに暖まり、風を出さないため、乾燥やホコリの舞い上がりもおさえることができます。
石油ストーブの特有の臭いが気になる方でも、ガスストーブならば安心して利用できるでしょう。本項では、ガスストーブのメリットやデメリット、費用について紹介します。
メリット・デメリット
ガスストーブのメリットは、以下のとおりです。
●ホコリが舞い上がらない
●石油ストーブのような不快な臭いがない__
ガスストーブはガスファンヒーターとは異なり、風を発生しないため、ホコリが舞い上がりにくいことが特徴です。また、灯油を使用しないため、石油ストーブ特有の不快な臭いもありません。一方で、ガスストーブのデメリットは次のとおりです。
●ガス会社との契約が必要
●設置場所が限られる__
ガスストーブはガス管をつなげる必要があるため、場合によってはガス会社との契約や工事が必要になります。また、ガス管をつなげるため、設置場所が限られます。
費用
ガスストーブは安いもので、1〜2万円程度で購入できます。また、ガスストーブを7時間使用した際のガス代は、「出力(kW)×3.6MJ/h×使用時間(h)÷ガス発熱量(MJ/㎥)×ガス料金(円/㎥)」で計算できます。
ガス消費量が4.07kWのガスストーブを7時間使用した場合のガス代は、約297円です。
※ここでは、1kW=3.6MJ/h、発熱量は東京ガスの都市ガス45MJ/㎥、ガス料金は都市ガスの東京ガス一般契約料金B表の基準単位料金130.46円と仮定。
電気ストーブ
電気ストーブは、電気を使用して空気を暖める暖房器具です。一般的には持ち運びが容易なコンパクトなサイズが多く、電源を入れるだけですぐに使用できるため、利便性に優れています。
さらに、灯油やガスの使用が不要です。石油ストーブやガスストーブに抵抗がある場合は、特におすすめです。本項では、電気ストーブのメリットやデメリット、費用について詳しく見ていきましょう。
メリット・デメリット
電気ストーブのメリットは、次のとおりです。
●灯油やガスが必要ない
●素早く暖まる__
電気ストーブは電力を使用するため、灯油やガスの用意が不要です。また、石油ストーブのような嫌な臭いを気にせずに利用できます。
コンパクトなサイズが多いので持ち運びしやすく、素早く暖まるので便利です。一方、電気ストーブのデメリットは、次のとおりです。
●部屋全体を暖めることは難しい
●電気代がかかる__
電気ストーブは暖房の範囲が限定されているため、部屋全体を暖かくすることが難しく、ピンポイントでの使用が適しています。また、電力を使用するため、電気代がかかります。
費用
電気ストーブは、安いものだと3000〜5000円程度で購入できます(カーボンヒーターの場合)。仮に消費電力が350〜1000Wの電気ストーブを7時間使用した場合、電気代はおおよそ75.95〜217円となります。※電気代の目安単価は31円/kWh(税込み、全国家庭電気製品公正取引協議会より)
設置場所やコスパも考慮して石油・ガス・電気のストーブを選択しよう
石油ストーブは、速暖性があり、体の芯から心地よく温めることができます。風を発生させないため、ホコリの舞い上がりや乾燥もおさえることが可能です。
コスパも悪くないのですが、灯油の調達や補充には手間がかかり、換気が必要な点にも注意が必要です。石油ストーブ以外にも、ガスストーブや電気ストーブなど、さまざまな暖房器具が存在します。設置場所やコストの面も考慮して検討してみましょう。
出典
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果 1.給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)<調査結果>
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー