公的年金だけでは老後は不安...!そんな時に検討したい「個人年金保険」とは | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

 

公的年金だけでは老後は不安...!そんな時に検討したい「個人年金保険」とは

公的年金だけでは老後は不安...!そんな時に検討したい「個人年金保険」とは© mi-mollet 提供

 

ミドルエイジが直面する介護やお金の問題について、介護の専門家でFP資格を持つ渋澤和世が、皆さんのお悩みにお答えします。

 

今回相談に来られた40代の優子さんは、国からの年金だけでは老後の生活が心配で、公的年金を補う「個人年金保険」について考えているとのこと。話を聞いてみましょう。

 

ただ、私のような4、50代は、老後資金が必要になるまでの期間が短いので、そもそも今から個人年金保険に加入するメリットはあるんだろうかという疑問が生まれました。

 

そこで生命保険に詳しい大学時代の友人に相談したところ、そもそも個人年金保険には大きく分けて「定額年金」と「変額年金」があるとのこと。危惧していた加入年齢に関しては、50代前半であれば商品の選択肢はまだあると教えてくれました。

 

また、所得税や住民税を抑える「個人年金保険料控除」を受けるためには、「保険料の払込期間が10年以上」、「年金受取期間が10年以上」などの条件があるということも知りました。

 

個人年金保険は通常60歳以降に受け取るもののようなので、もしかしたら今は個人年金保険に加入する最後のチャンスなのかもしれません。

 

そこで、個人年金保険がどのような商品なのか、そもそも加入した方が良いのか、参考にしたいのでポイントを教えてください。

個人年金保険の現状

個人年金保険とは、優子さんが検討したという民間生命保険会社の個人年金保険と変額個人年金保険、かんぽ生命の個人年金保険、簡保の年金保険、JAの年金共済(年金型の貯蓄以外)、こくみん共済Coopの年金共済の総称です。

 

生命保険文化センターが3年に一度行っている「生命保険に関する全国実態調査」によると、2021年度の個人年金保険の世帯加入率は24.3%(前回21.9%)と、2015年以降増加傾向にあります。

 

加入の内訳は、「民間生命保険会社の個人年金保険」が83.7%、「JAの年金共済」が10.0%、「簡保の年金保険」3.7%、「損保の個人年金」3.1%、「こくみん共済Coopの年金共済」2.9%となっていて、「JAの年金共済」は前回の2018年度と比べると3.4ポイントも増加しました。

 

なお、1年間に払い込む保険料の世帯合計額は、平均20.6万円という数字が出ています。

 

定額年金保険と変額年金保険

相談者の優子さんは、ご友人に「個人年金保険には定額年金と変額年金がある」と説明されたそうですが、同じ個人年金保険でもその2つには大きな違いがあります。

 

50代を前に年金不安が…!

最近、50代を前にして、定年後の資金計画について真剣に考えるようになりました。子どもが独立して金銭的に余裕ができたこともあり、公的年金だけでは心もとないこのご

 

時世、自分自身で年金を用意すべきなんじゃないかと思い始めたんです。

 

そこでまず思い浮かんだのが、以前ママ友に勧められた生命保険会社の個人年金保険でした。現役時代に払った保険料が老後に受け取れるというもので、貯金のようなものだとか。昔は払った保険料の1.5倍ぐらいの額がもらえていたといいます。

 

「定額年金保険」は、払い込む保険料と将来受け取れる年金額が加入時に決まっている保険のこと。契約時の予定利率で運用されるため、資金計画が立てやすく、預貯金に近い感覚で加入できる安心の商品です。

 

ただし、インフレのリスクには対応できず、また現在のような低金利で加入すると利益は少なくなります。

 

これらのことを踏まえると、同額を預金しておいた方が解約リスクもなく、必要な時に必要な分を引き出すことができて便利とも言えます。

 

一方「変額年金保険」は、投資信託に近い商品です。株式や債券を中心に資産運用し、実績によって年金額が変わる仕組みで、運用が失敗すれば元本が目減りしてしまいます。

 

こちらはリスクが高いため、わざわざ個人年金保険で変額を選ぶ人は少なく、ほとんどが「定額年金保険」となっています。

個人年金保険のメリットとデメリット

個人年金保険に加入するメリットは、主に①老後の資金を計画的に貯められる、②個人年金保険料控除が受けられる、という2点です。

 

個人年金保険は、預貯金よりも半強制的にお金を振り込むため、貯蓄が苦手なタイプには向いています。

 

途中で解約してしまうと損してしまうので、預金のように「お金がないから引き出そう」という発想が生まれません。現時点で貯金が少なく心配ということであれば、途中解約さえしなければ、預貯金よりは良い利率で貯めることもできるでしょう。

 

また、個人年金保険料控除を受けられるだけでもメリットと言えるかもしれません。

 

一定の条件を満たせば、所得税は年間最高4万円(2011年12月31日以前に締結した旧制度では最高5万円)、住民税は2.8万円の所得控除が受けられます。

 

ただし定額年金保険の商品は、現在のような低金利の場合は支払った金額と同程度の保険金しか戻りません。変動年金保険に限っては、先ほど述べたように投資信託同様に元本が目減りするリスクもあります。

 

安全を取るのであれば、商品の特徴をよく調べ、納得した上で契約をしてください。くれぐれも年金不安に踊らされないよう、冷静な判断も必要です。

近年人気のJA共済「ライフロード」とは

JAの年金共済は、2018年度に比べて世帯加入率が3.4ポイントも増加したと前述しましたが、近年人気が高いJAの年金共済(個人年金)とは一体どのようなものなのでしょうか。

JAの個人年金保険は、「ライフロード」という名称で売り出されています。

 

ライフロードは、将来受け取る年金額が変動する可能性のある「変動年金保険」です。ただし変動するのは上乗せされる利息だけで、正確には「予定利率変動型の個人年金保険」となります。

 

途中で解約すると元本割れする可能性が高いというデメリットはありますが、無理のない範囲の契約であれば、メリットの方が大きいとも言えます。

 

例えば、掛け捨ての生命保険や積立保険は一般生命保険料控除の対象となり、個人年金保険料控除を使える保険はそれほど多くありません。その点、ライフロードは個人年金保険料控除が使えます。

 

控除された分だけ課税所得金額が少なくなって、所得税や住民税を抑えられるわけですが、保険料控除の枠をフルで使うには、「支払いは年払い契約で8万円」にするのがベストです。月々7000円弱と思えば、検討の余地はありそうですね。

 

また、ライフロードの掛け金はクレジットカード払いが可能です。カードのポイントを貯めることもでき、よりお得に利用できます。

 

優子さんの生保のご友人が話していたように、個人年金保険料控除を受けるためには「保険料払込期間が10年以上」「年金受取期間が10年以上」などの条件があります。そのため、契約前に個人年金保険料控除を受け取りたい旨を話してみると確実です。

 

私、渋澤は会社員ですが、40歳を過ぎた頃から団体扱いの年金払積立傷害保険に加入しました。手取り額も少し増えたタイミングだったので、給料天引きも無理なくクリアできました。

 

年金払積立傷害保険は定年後に積み立て分を年額で受け取ることも可能なので、目的は個人年金と少し似ています。このように、勤務先にお得な内容の保険がある場合は、探してみるのも一案です。

 

個人年金保険に入るか否かは、ライフスタイルに合わせて検討してみてはいかがでしょうか。

 

構成/渋澤和世

取材・文/井手朋子

イラスト/Sumi

編集/佐野倫子