「夜寝つけない・途中で目が覚める」を良質な睡眠へ!セロトニンを十分に分泌させるために食べたいのは | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

ぐっすり眠ることがカンタンではなくなってきたと感じる、アフター更年期。途中で目が覚めたり、早く目が覚めたり。

 

質のよい睡眠は、ストレスをためないためにも大変重要なテーマです。とはいえ、考えすぎるとますます眠れなくなってしまいます。クレアージュ エイジングケアクリニック 総院長の浜中聡子さんに伺いましょう。

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アドバイス1 「そのうち眠れるだろう」と気楽に

アフター更年期の人からは、「夜、早く寝たいけれど、眠れない」「眠ることばかり考えてしまうと、ますます目が冴えてしまって」といった声がよく聞かれます。

 

年齢とともに、体内時計の調節がうまくできなくなっているのです。夜寝つけなかったり、途中で目が覚めてしまったりしたときは、どうするのがいいのでしょう?

 

まず、就寝時間が来ても眠くならないときは、時間にかかわらず、眠くなってから布団に入るようにしましょう。

 

寝つけないときに、時間ばかり気にしてあまり早く布団に入ると、かえって目が覚めてしまうことがあります。

 

布団の中で「眠らなきゃ」と考えることが、自分を追い詰めてしまい、結局、覚醒してしまう人が多いのです。

 

必要な睡眠時間は人によって違います。「そのうち眠れる」とリラックスモードで気楽に考えるほうが、眠りに入りやすくなるようです。

アドバイス2 横になっているだけで、疲れは6割とれる

「いったん眠っても、夜中に目が覚めてしまって」

「トイレに立つと、そのまま眠れなくて」

 

そんなときには、そのまま目をつぶって静かに横になっていると、自然に眠りに戻れることも多いものです。

 

たとえ眠れなくても、横になっているだけで眠っているときの6割は疲れがとれて、体が回復しています。ゴロゴロ、ボワーッとしているだけでも、体は休まっているのです。

 

起きているよりは疲れがとれているんだと、割り切ってみましょう。

 

暗く静かな部屋にひとりで起きていると、ネガティヴな考えが頭に浮かんでくることがあります。悩みがあるときはそれが堂々巡りになり、深刻さが増していくことも……。

 

ネガテイブなサイクルにはまりかけたときのコツがあります。はまりかけたと思ったら、悪循環をハサミでチョキンと断ち切ることをイメージしましょう。

 

チョキン!

 

これは、認知行動療法でよく行われる方法で、思考の負の連鎖を断ち切る訓練です。眠れないときに湧き起こる妄想にも効果があるので、ぜひ試してみてくださいね。

アドバイス3 明け方に目が覚めたら、そのまま起きてしまう

夜中にトイレに起きて、もう一度寝ようとしているうちに、朝4時を過ぎてしまった……。そんな場合は、もう眠らなくてもいいと考えて、起きてしまいましょう。

 

朝の自由時間がたっぷり増えて、得をした気分になるかもしれません。

 

早起きは三文の徳、とポジティブに考えて、家事でも仕事でも、外に出て気持ちのいい朝の空気を吸いながら、草花の手入れや早朝散歩もいいですね。朝のうちにできることをするのがおすすめです。

 

家族もまだ起きていない、外の音も静かな早朝の時間を利用して、語学の勉強をしたり、いつか読もうと思っていた本を読むのもあり。ちょっと得した気持ちになるかもしれません。

アドバイス4 その日のうちに眠って若返りホルモンを分泌させる

睡眠は、成長ホルモンやメラトニンなどのホルモンと深いかかわりがあります。良質な睡眠をとりたいアフター更年期は、睡眠ホルモンを効率よく分泌させて、ムダなく上手に利用する方法を知っておきましょう。

 

若返りホルモンともいわれる成長ホルモンは、睡眠中に7割が分泌され、寝ている間に活発に働きます。子どもの成長に欠かせないホルモンとして知られていますが、大人になってからは、傷ついた細胞を修復・再生。

 

髪や皮膚を美しく保ち、脂肪を分解して肥満を防ぐなど、アフター更年期の女性にとっても大切なホルモンです。

 

成長ホルモンの分泌量は、20代で減り始め、30〜40代でガクンとダウン。アフター更年期には、さらに減ってしまいます。

 

貴重な成長ホルモンを効率よく分泌させて無駄なく利用するためには、質のよい睡眠をとる必要があります。

 

質のよい睡眠がとれていれば、成長ホルモンだけでなく、過食を防ぐレプチンが効率よく分泌され、太りにくくなります。

 

逆に、睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌が減って脂肪の分解能力が落ちるだけでなく、グレリンという空腹ホルモンが分泌され、食欲が旺盛になって太りやすくなってしまいます。

 

成長ホルモンの分泌のピークは、眠り始めて約1.5〜2時間後。深夜0時から午前4時ぐらいの間ですから、夜10時に寝るのがベストタイミング。それが無理なら、日付が変わる前には寝られるようにしたいですね。

 

睡眠中は、成長ホルモンやレプチンのほか、女性ホルモンや男性ホルモン、メラトニンという睡眠ホルモンも多く分泌されます。これらのホルモンを活用するために、夜10時から朝6時までに、6〜7時間の睡眠をとるのが理想的です。

アドバイス5 寝る前1時間はデジタル禁止

スマホやパソコンやテレビは、寝る前1時間は見ないようにしましょう。寝る直前までデジタルの画面を見ていると、深い眠りに入りにくく、熟睡感を得られなくなるのです。

 

ベッドにスマホを持ち込んで、布団の中で見たりしていませんか? そのクセは良質な睡眠を妨げます。デジタルのチカチカした強い光は、交感神経を昂らせて、覚醒させてしまうからです。

 

こういった入眠時の習慣は、睡眠の質を格段に落として、成長ホルモンや各種ホルモンの分泌を低下させます。おやすみ前には、電気もテレビも消して、部屋を暗くして寝る態勢をつくりましょう。

アドバイス6 朝起きたらカーテンを開けて朝の光を

起床したら、まず窓のカーテンをパーッと開けて、朝日を浴びましょう。朝の光は、メラトニンの分泌を調節して、睡眠から覚醒への切り替えをしてくれます。

 

メラトニンについて少し説明しましょう。睡眠中は、脳の松果体からメラトニンが分泌されます。メラトニンは脳の体内時計に働きかけて質のよい眠りのリズムをつくります。

 

メラトニンは光によってコントロールされているホルモンです。夜、暗くなると分泌が促され、脳は熟睡モードになります。

 

翌朝、朝の光を浴びると、メラトニンの分泌が一気に低下し、体内時計がリセットされ、覚醒モードに切り替わり、すっきり目覚めることができるのです。

 

さらに、メラトニンは細胞の酸化を防ぎ、免疫力を高めて、新陳代謝を促す若返りのホルモンとしても注目されています。老化や認知障害、うつなどの予防のためにも、アフター更年期には欠かせません。

 

ちなみに、「今週は寝不足だったから、週末はゆっくり寝だめをしよう」というのはダメ。起床時間がまちまちになっては、体内時計がリセットされず、快適な睡眠のリズムをつくりにくくなるのです。毎日、同じ時刻に起きることが、睡眠のリズムを上手につくるコツです。

アドバイス7 トリプトファンをとって良質な睡眠を

メラトニンの材料になるのが、セロトニンです。セロトニンは脳内の伝達物質のひとつで、不足するとうつ病などの原因になるといわれています。

 

そして、セロトニンの原料になるのが、トリプトファンという必須アミノ酸。トリプトファンは、バナナや肉類、乳製品などのたんぱく質に多く含まれています。

 

また、セロトニンは、日の光を浴びることで分泌が促されます。1日15分から30分程度は戸外で過ごしましょう。直射日光だと紫外線の害が心配ですが、木陰で光を浴びるだけで十分です。

トリプトファンを多く含む食品をとり、セロトニンを十分に分泌させ、メラトニンの分泌につなげていくことが、良質な睡眠につながります。

 

※この記事は『アフター更年期からの不調を治す50の習慣』浜中聡子(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

 

※2022年11月8日に配信した記事を再編集しています。